福井県敦賀市若葉町の県道で、同市の女子中学生(13歳)が軽乗用車にはねられて死亡しました。この横断歩道は、中学校に近接していますが、信号がないため地元住民が設置を要望してもなお実現されていませんでした。この事故の背景を、荒田憲助さんが現地で取材しました。
2019年に道路開通
この事故が起きた場所は、県道脇の直線区間で、1車線で幅9メートルです。南北の主要道路から流れてくる車が頻繁に通り過ぎています。現場では、近所の80歳代の女性がつえをついて横断していましたが、数台の車が止まらず通過しました。
現場は中学校の通学路となっており、道路が開通する前から地元住民は信号の設置を求めていましたが、受け入れられませんでした。区長の立石正美さん(71歳)は「朝夕は特に交通量が多い。予算などの都合もわかるが、人命が最優先だ」と信号の必要性を訴えています。
信号のない横断歩道は危険
県警敦賀署によると、この横断歩道での人身事故は初めてです。中学校の教諭は「通学時は車が止まらない隙間を縫って渡っているのが現状です。これまで事故が起きていなかったことが奇跡的です」と話しています。
ただし、信号のある横断歩道を通ると数百メートルの遠回りになります。現在は教員が登下校時に生徒を見守ることで対応していますが、通学路として利用される以上、信号の設置が望まれます。
経緯は不明ですが、地元住民や中学生たちにとっては信号の設置が切実な問題です。