放課後デイに5300万円賠償命令 自閉症スペクトラム障害児の死亡

放課後等デイサービス事業所における悲劇的な事件が明るみに出ました。自閉症スペクトラム障害(ASD)を抱える男児が、施設から抜け出し、近くのため池に転落して亡くなってしまったのです。この事故は、施設側が安全配慮義務を怠ったことが原因とされ、両親が約7000万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしていました。判決の結果、施設側の過失が認められ、約5300万円の賠償が命じられました。

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この事件は、山口県で大きな衝撃を与えました。被害者は、今道爽太さんという男児です。彼は山口市朝田にあるツインテラスという事業所に通っていました。2021年8月、彼は無施錠だった窓から施設を抜け出し、行方不明になりました。後に近くのため池に浮かんでいる彼の遺体が見つかり、死亡が確認されました。

裁判長である秋信治也氏は判決で、今道さんが自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を受けていたことを指摘しました。彼は特性として、興味のある方向に走り出す傾向があったそうです。そして、施設の職員たちはこの特性を共有していました。裁判長は、「生命や身体に危険が及ぶ可能性を十分予見できたはずです。施設側は出られないように措置を取るか、動静に十分注意する義務があったはずですが、それを怠った」と判断しました。また、健常者と障害者の賃金に差があることから、賠償額の一部が減額されました。

この事件は、地域社会に大きな衝撃を与えました。今後、同様の事故が起きないように、放課後等デイサービス事業所の安全対策が厳重に見直されることでしょう。

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