茨城県守谷市は22日、10月の消費税増税に合わせ、上下水道料金の税抜き単価から消費税増税分の2%相当額を値下げする料金改定を行うと発表した。29日に開会する定例市議会に条例改正案を提出する。市民の痛税感の緩和を図ることに加え、東京のベッドタウンの一つとして「住みやすさ」を広くアピールする狙いもある。
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市上下水道課によると、消費税増税に合わせて上下水道料金を値下げするケースは極めて珍しいという。
料金改定は10月の算定分から適用する。これまでの税込み料金を税抜きに変更した上で、基本料金を1カ月当たり10円、従量料金を水道は1立方メートル当たり3~5円、下水道は同1~4円、それぞれ値下げする。
これにより、1期(2カ月)当たりの税込みの水道料金は、33立方メートルを使用する守谷市の標準家庭の場合は5908円(現行料金に消費税率10%を適用した場合は6053円)、下水道使用料は3553円(同3639円)になる。
年間でみると、料金改定を行わず消費税率10%を適用した場合は1092円の値上げになるのに対し、改定後の料金だと294円の値下げとなる。改定による市民への還元額は年約5000万円に達するという。
市上下水道課によると、浄水施設の廃止や料金徴収業務の民間委託などの結果、2%相当額を値下げしても黒字になることが分かり、市民サービス向上のため料金改定を決めた。同課の担当者は「値下げで住みやすさをPRして人口増加につなげたい」と話す。
消費税増税を奇貨とした異例の「定住人口増加策」の成果はいかに-。(篠崎理)