職員に「出てけ」怒鳴った市長も…地方自治体でなぜハラスメント続発

村瀬進治市議に対する議員辞職勧告決議案を可決した愛知県東海市議会

職員に対するハラスメント行為が地方自治体で続発している理由について、愛知県や岐阜県での出来事が明らかになりました。社会全体でハラスメント撲滅に向けた取り組みが進んでいる中で、地方自治体の現場ではこのような問題がなぜ続くのでしょうか。

村瀬進治市議の発言と取り組み

愛知県東海市の村瀬進治市議(74)は、市職員に対するハラスメント発言などがあったとして、市議会での議員辞職勧告決議案を受けました。村瀬市議は、職員に対し「くそたわけが。出来の悪いやつだな」といった発言をしたとされています。ただし、取材に対して村瀬市議は「言葉遣いは改めることにした」と話しました。

被害を受けた職員の方々によれば、村瀬市議の発言は馬鹿にするような口調で、非常に受け入れがたいものであったとのことです。

社会の認識とのズレ

地方自治体におけるハラスメントの背景の一つに、社会の認識とのズレがあります。例えば、愛知県内のある市長は以前、ミスを繰り返した市職員に対して「何やっとるだ。出てけ」と怒鳴ったことを振り返りました。

この市長によれば、市長になる前は上司からの怒鳴り声は当たり前のことだと思っていたそうです。また、市長になった後も部下を指導する際には部長のつもりで接していたといいます。

しかし、社会全体でハラスメントに対する視線が厳しくなっていることを感じたため、認識を改め、上司に任せるようにしました。「良かれと思って言ったつもりでも、受け止める側の気持ち次第」と述べています。

また、愛知県内のある町長は、「選挙で当選して任期は4年。この間に結果を出さないといけない。急いで取り組まないといけないから職員を追い込んでしまうことがある。職員は定年まで何もなくても40年間働けるが……」と本音を吐露しています。

地方自治体でのハラスメント問題は深刻ですが、社会全体での認識の変化や問題解決への取り組みが求められています。