「墓前で謝罪を」保釈されずに病死の夫 妻がみつめた無念 大川原化工機冤罪事件で判決

大川原化工機の冤罪事件にて、保釈されずに病死した夫の妻が抱える無念な心情が明るみに出た。

富士山が一望できる終の棲家

夫婦は5年前に静岡に移住し、富士山が一望できる家を手に入れた。夫である相嶋静夫さんは大川原化工機の顧問であり、技術者として働いていました。2021年2月、相嶋さんは都内の病院で亡くなりました。相嶋さんは機械メーカーの顧問として活躍し、兵器製造に転用できる機械の不正輸出の容疑で逮捕されました。しかし、起訴された後に相嶋さんの死が診断され、その後、起訴は取り消されたのです。相嶋さんは東京拘置所で勾留されている間に胃がんの診断を受け、治療が受けられず潔白を証明することなくこの世を去ってしまったのです。

妻は「二度と同じような思いをする人がいないように」と取材に応じてくれました。

やっと経営から離れて実験できる

大川原化工機は液体を高温で乾燥させて粉末化する噴霧乾燥器を開発・製造する機械メーカーです。この機械は粉ミルクやコーヒーなどの食料から医薬品まで幅広い用途に使われています。相嶋さんはこの会社の技術部門で活躍し、静岡の研究所で後輩の育成や商品開発に携わっていました。夫婦は静かな生活を楽しむために富士山の見える家も手に入れました。

妻によれば相嶋さんは実験や観察が大好きで、学生時代からその才能を発揮していました。妻は「やっと経営から離れて実験できるとすごく嬉しそうだった。目がキラキラ輝いていた」と語ります。

しかし、幸せな日々は長く続かなかったのです。2018年、警視庁公安部の捜査が始まりました。相嶋さんは「生物兵器に転用可能な噴霧乾燥器を無許可で輸出した」という容疑をかけられたのです。

妻は「警察にいくら説明しても理解してもらえないことに困り果てていた。わかってもらいたいという気持ちで毎月1日かけて説明をしていました」と振り返ります。

以上、テレビ朝日社会部の吉田遥が報告しました。


Source link: 日本ニュース24時間