閉店した洋菓子店からの感動の再スタート!

天神橋筋商店街(大阪市北区)で、閉店した洋菓子店のショーウィンドーが、感動のメッセージで埋め尽くされました。約300枚以上の色鮮やかな付箋には、店に対する惜別や感謝、そして励ましの言葉が添えられています。そして、約1年後の今秋、店主は新たなスタートを切り、ここから歩いて10分程度の場所に新しい店をオープンさせました。

店舗再オープン!

店の明かりに浮かび上がる付箋のメッセージ

今年10月19日に、大阪市北区与力町にあるマンションの1階で新しい店舗「サ プース!」がオープンしました。店名はフランス語で「芽吹いているよ!」という意味だそうです。

店主の吉野暢人さん(56)によれば、昨年11月末に南西に400メートルほど離れた場所にあるフランス菓子工房「ムーラタルト」を閉じました。それまで23年間、天神橋筋商店街に位置していました。

1999年に開店し、スタッフを雇い、ケーキや焼き菓子などを製造・販売していました。売り上げも順調に伸びていたのですが、約5年前から人手不足に苦しむようになってしまいました。

閉店後の片付けの最中、ショーウィンドーに次々とカラフルな付箋のメッセージが貼られていく光景が広がりました。そこには「長い間、甘い幸せをありがとう」といった感謝の言葉や「次のステップがんばってください」といった励ましの言葉が綴られていました。最終的には386枚のメッセージが集まったそうです。

吉野さんは「応援の声に応えなければならない」と感じ、年が明けてから新しい店の開店に向けて活動を始めました。予想よりも時間がかかりましたが、新しい店のオープンを実現させました。

新たなスタートを切るお店

経験から人手不足に苦しんだ吉野さんは、今回はキッチンを含めた約40平方メートルの広さで一人で運営することにしました。メニューも絞り込み、得意なフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子を中心に提供しています。また、5席のカウンター席も設置し、ワインやコーヒーを楽しむこともできます。大人がゆっくりとくつろげる空間です。

オープンは事前に告知されていませんでしたが、7割程度は前の店の常連のお客さんだそうです。また、付箋のメッセージを書いてくれた人たちからは、「戻ってきてくれてありがとう」といった感謝の言葉も届いています。

吉野さんは「まだまだこれから」と売り上げに対しては謙虚ですが、「家族やお客さんに感謝したいです。先のことは考えずに、今を楽しみながらこれからも頑張っていきたいです」と語りました。

閉店した洋菓子店の思い出は、大切にアルバムに保管され、新しい店舗にも飾られています。

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