羽田空港での航空機衝突事故、管制官が気付かなかった海保機の進入

日本航空と海上保安庁の航空機が羽田空港のC滑走路で衝突した事故について、国土交通省の聞き取りで、C滑走路の管制官が「海保機の進入に気付かなかった」と説明したことが明らかになりました。管制塔の交信記録には、衝突の2分前に海保機に滑走路手前の停止位置への走行を指示した後、異常を示すやり取りはなかったと報じられています。

C滑走路には15人程度の管制官が担当

羽田空港には4本の滑走路があり、各滑走路には2人の管制官が担当しています。彼らの中には、駐機場から誘導路への移動を担当する担当管制官もいます。さらに、補佐役の管制官もおり、通常で約15人の体制で運用されています。

管制官は海保機の異常動作に気付かなかった

国交省関係者によると、当時管制塔にいた管制官に対する聞き取りでは、担当管制官が海保機の指示と異なる動きに気付かなかったとされています。

交信記録によると衝突までの2分間は他の民間機とのやり取りが行われた

公表された交信記録によると、C滑走路の管制官は日航機に着陸を許可するやり取りをした直後、海保機に誘導路上の停止位置への走行を指示し、海保機の復唱があったと報告されました。その後、約2分間の事故発生までの間には、別の民間機とのやり取りが行われ、日航機や海保機との交信は行われていませんでした。

国交省は、管制塔内でのやり取りについても詳しく調査を進める予定です。

運輸安全委員会が乗務員への聞き取り調査を開始

一方、運輸安全委員会は事故調査のため、日航機の乗務員への聞き取り調査を行っています。パイロットたちは社内調査で「海保機を視認できなかった」と説明しています。事故調査官は、事故当時の状況や認識だけでなく、コックピットでのやり取りなども調査する予定です。

警視庁も現場検証を再開し、既に海保機の機長からの任意の事情聴取を行っています。また、日航機の乗客への聞き取りも進められています。

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