閉じ込められた妻、50年の連れ添いがまだがれきの下に

地震によって倒壊した自宅の前で、まだ救助を待つ妻の話を聞いた。能登半島では、がれきの中に救助を待つ人々がいるという。最初の揺れから72時間が経過し、生存率が急速に低下しているという現状がある。道路が寸断され、救助用の重機も支援物資もなかなか届かない厳しい状況だ。そんな中、崩れた家の中に閉じ込められたままの妻に、救出のめどは立っていない。この50年連れ添った妻との別れが近づいているかもしれないと思うと、夫の表情にはあきらめの色がにじんでいた。

重機なしで2度救出断念

妻は自宅の崩壊によって閉じ込められた。消防隊や自衛隊が現場に駆けつけたものの、「重機がなければ救出できない」と言って別の場所に向かってしまったという。警察官も訪れて救出を試みたが、1階へ下りるための階段が潰れていたために断念せざるを得なかった。このような出来事の繰り返しに、夫は嘆き悲しんでいる。

地震前、妻は台所で年賀状を眺めていた。年賀状を出していない人がいることに気付き、「返事をしなければ」と話していたという。夫がトイレに行っている隙に、大きな揺れが起こり、柱が折れて1階が押し潰された。夫が「外に出ろ」と叫んだが、妻からの返事はなかったという。

[Image](画像のキャプション) 夫が救出作業を見守っている様子

夫は「妻が亡くなっているならば、せめて遺体くらいは出してやりたい。私が先に死んで、妻に見送ってもらいたかった」と切なげに語った。

この夫婦は、地域の仲間からも一目置かれる存在だった。夫は酪農を営んでおり、妻は市役所で働いていた。夫婦は地元の青年団で出会い、2年の交際を経て結婚した。2人で旅行に行ったこともあり、特に北海道の洞爺湖は思い出深い場所だったという。次の旅行先は暖かい沖縄にする予定だったそうだ。

夫は自宅の近くにある車庫で寝泊まりしながら、救出作業を何度も見守ってきた。だが、その努力も報われず、妻との別れが近づいていることに夫は苦悩しているのだ。

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