海上保安庁の航空機、管制指示を誤認か 事故の状況を関係者への取材で明らかに

羽田空港で起きた海上保安庁の航空機と日本航空機の衝突事故について、海上保安庁の機長(39)が事故後の聞き取りで「他のクルーにも確認した」と説明していたことが明らかになりました。海上保安庁の搭乗者は皆が交信内容を聞くことができ、管制からの指示で「1番目(の離陸予定だ)」と伝えられたのを優先離陸と誤認した可能性もあります。

事故発生の状況

事故が起きたC滑走路の管制官は国土交通省の聞き取りに対し、「海上保安庁の進入に気づかなかった」と説明していました。この事故に関して、運輸安全委員会はボイスレコーダーなどを解析して、当時の状況を詳しく調査する予定です。

交信記録によると、2日午後5時45分、管制官が海上保安庁の航空機に対し「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示しました。機長は8秒後に「向かいます」と応答しましたが、その後も滑走路に進入し続け、約40秒間停止した後、日本航空機と衝突しました。

管制指示の確認ミスか

当時の海上保安庁の航空機には機長と亡くなった5人の乗員全員が搭乗していました。彼らは無線交信が可能な航空用ヘッドセットを着用し、管制塔との交信を聞くことができる状況でした。

通常、管制からの指示は機長と副機長が共に確認することになっていますが、機長はこれまでの聞き取りで「許可を得て進入した」と説明していました。また、後の聞き取りでは「他のクルーにも(管制指示を)確認した」と話していたということです。

国土交通省によると、管制用語には優先離陸を促す特別な用語は存在しません。海上保安庁の航空機は能登半島地震の被災地に支援物資を運ぶ予定でしたが、交信記録には滑走路への進入許可の記載はありませんでした。

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