柱がぐにゃりと曲がり家が崩れ落ちた…屋根の下に閉じ込められた20歳、成人式で「生きてるって実感」

新しい人生の一歩を踏み出す成人式。しかし、その前に大きな試練に立ち向かった青木大河さん(20)の物語が話題です。被災体験を経て、彼が感じた”生きている”という実感とは?

被災からの立ち直り

旧友と再会した大河さんは、被災経験を語りました。石川県輪島市で家が倒壊し、近隣住民に助け出された彼は、金沢市で行われた成人式に参加しました。濃紺のスーツに身を包み、祖母宅での地震体験を友人たちに告げた大河さん。「友達と話して、『生きてるんだ』って実感した」と述べました。

家が崩れ落ちる一瞬

ある日の午後4時過ぎ、大河さんは家族とテレビを見ていました。すると、家屋が激しい揺れに見舞われました。「やばい」と思ったその瞬間、目の前で柱が曲がり、木造平屋の家は崩れ落ちました。

奇跡的な生還

天井板が薄かったため、家族全員が梁や家具の下敷きになることなく、大きなけがも免れました。しかし、彼らは屋根の下に閉じ込められてしまったのです。大河さんが隙間をこじ開けると、近所の人々が駆けつけ、手助けをしてくれました。

人々の温かさ

倒壊した住宅や電柱の間を縫い、大河さんは避難所へたどり着きました。そこで知らない人から靴をもらい、感謝の気持ちを抱きました。「みんな大変なのに……。本当にありがたかった」と語る彼は、2晩を避難所で過ごし、迎えに来た姉と兄の車で自宅に戻りました。

新たな目標

手を差し伸べてくれた人々の優しさは、彼の心に深く刻まれました。自分もそんな大人になりたいという確かな目標を持つようになったのです。

成人式の中止

石川県では今年度、1万2000人近くの若者が成人式を迎えます。しかし、被害の大きかった能登地方を中心に、成人の日に予定されていた12市町の式典は中止されました。

この物語は、被災からの立ち直りと人々の温かさを伝えるものです。大河さんの成人式参加が、彼にとって”生きている”という実感を与えた瞬間であることは間違いありません。

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