【フィッシャープライス】人気ベビーバウンサー「スヌーガ・スイング」、窒息事故で200万点リコールへ – 安全性と企業責任を問う声も

米国で大人気のベビー用品メーカー「フィッシャープライス」から販売されている赤ちゃん用バウンサー「スヌーガ・スイング」が、全モデルリコールの対象となりました。この製品を使用中に乳児が死亡する事故が発生するなど、深刻な窒息の危険性が指摘されていることが理由です。今回は、スヌーガ・スイングのリコールに関する詳細と、その背景にある安全性の問題、そして企業の責任について詳しく解説していきます。

人気商品「スヌーガ・スイング」に一体何が?

【フィッシャープライス】人気ベビーバウンサー「スヌーガ・スイング」、窒息事故で200万点リコールへ - 安全性と企業責任を問う声も

スヌーガ・スイングは、赤ちゃんを優しく揺らし、心地よい眠りに誘うと評判のベビーバウンサーです。2010年の発売以来、米国だけで210万点以上を売り上げ、カナダやメキシコでも人気を博しました。口コミを通じて日本でも知られるようになり、海外購入代行サイトなどを利用して購入する人も少なくありません。

しかし、この人気商品に大きな影が落とされました。2012年から2022年にかけて、スヌーガ・スイングを使用中に乳児が窒息死する事故が、米国で少なくとも5件発生したのです。いずれも生後1ヶ月から3ヶ月までの乳児で、製品を使用中に眠ってしまったことが原因とみられています。

米国消費者製品安全委員会がリコールを発表

こうした事態を受けて、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、スヌーガ・スイング200万点のリコールを決定しました。CPSCはリコール報告書の中で、「スヌーガ・スイングは睡眠用として使用すべきではなく、起きている時でも追加の寝具類と併用しないように」と強く警告しています。ヘッドレストとシートパッドの間に毛布などを挟むと、赤ちゃんの顔が覆われて窒息するリスクが高まる可能性があるためです。

リコールへの批判も – 企業の責任は?

フィッシャープライスは、リコール対象製品の所有者に対して25ドルを返金する措置を取っていますが、一部からは「リコール措置としては不十分」との批判の声も上がっています。製品の価格は160ドルであるにもかかわらず、返金額が少なすぎるという指摘です。

CPSCの委員であるリチャード・トラムカJr.氏は、「今回のリコールは失敗する運命にある」と厳しい見方を示しています。多くの赤ちゃんが危険にさらされる可能性を指摘し、「フィッシャープライスは利益を優先して子供の安全を軽視している」と痛烈に批判しました。

まとめ – ベビー用品選びの教訓に

今回のリコールは、ベビー用品を選ぶ際には、人気や口コミだけでなく、安全性に関する情報にもしっかりと目を向けることの重要性を改めて示す出来事となりました。

スヌーガ・スイングは、多くの親から支持されてきた人気商品だけに、今回のリコールは衝撃的なニュースです。ベビー用品メーカーには、今回の事態を重く受け止め、安全性確保を最優先に考えた製品開発に取り組んでほしいものです。