ドイツ連邦議会議副議長、イスラエル批判の投稿で謝罪に追い込まれる

ドイツ連邦議会のアイダン・オーズス副議長が、イスラエルを批判する内容のSNS投稿を共有したことで、大きな波紋を呼んでいます。

シオニズム批判の投稿が物議に

オーズス氏が問題の投稿を共有したのは10月18日のこと。その投稿は、イスラエルのシオニズム運動に反対するユダヤ人団体「平和へのユダヤ人の声」によるもので、炎上する建物の写真とともに「これがシオニズムだ」というメッセージが添えられていました。

イスラエル側から厳しい非難の声

この投稿に対し、イスラエルのロン・プロソル駐独大使は、オーズス氏が「イスラエルの存在権に間接的に疑問を呈している」と強く非難。「火に油を注ぐ行為だ」と述べ、謝罪と投稿の削除を求めました。

オーズス氏、謝罪に追い込まれる

一連の批判を受け、オーズス氏は投稿を削除し、「平和的共存を訴える同胞の心情を傷つけてしまった。それは私の意図するところではなく、深く後悔している」と謝罪しました。

ドイツ連邦議会議事堂ドイツ連邦議会議事堂

ドイツ国内からも批判の声

ドイツ国内からも、オーズス氏に対する批判が噴出しています。ドイツ・イスラエル協会のボルカー・ベック会長は、「越えてはならない一線を越えた」と非難。

また、保守会派キリスト教民主・社会同盟のトルステン・フライ連邦議会院内総務は、「憤慨・失望している」と述べ、「このような副議長に代表されることを望んでいない。彼女はわれわれの代弁者ではない」と突き放しました。

ドイツ政府「反シオニズムは受け入れられない」

オーズス氏と同じ社会民主党に所属するベアベル・バース連邦議会議長も、「明らかに反シオニズム的な内容のメッセージの拡散は、受け入れられない」と苦言を呈しています。

ドイツとイスラエルの関係は?

ドイツは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人を大量虐殺したホロコーストの責任を負い、長年にわたりイスラエルへの揺るぎない支援を表明してきました。

しかし、パレスチナ自治区ガザ地区での武力衝突が長期化する中、ドイツ国内ではイスラエルに対する批判が高まりを見せています。

反ユダヤ主義の増加も懸念

今回のオーズス氏の投稿をきっかけに、ドイツ国内で反ユダヤ主義的なヘイトスピーチや攻撃が増加することへの懸念も広がっています。