【光る君へ】藤原為時を襲った悲劇…出世と引き換えに失ったものとは?

NHK大河ドラマ「光る君へ」で、吉高由里子さん演じる紫式部の兄、藤原惟規(高杉真宙さん)がドラマの中で帰らぬ人となりました。今回は、彼の死が父である藤原為時(岸谷五朗さん)に何をもたらしたのか、その生涯を辿りながら紐解いていきましょう。

立身出世を遂げた藤原為時

藤原為時といえば、紫式部の兄としても知られていますが、彼自身も優れた文化人でした。大学寮で漢詩や歴史を学び、文章博士の試験に見事合格。その後、宮廷で活躍するエリート官僚「文章生」として、その文才を高く評価されていました。

権力者・藤原道長の目に留まり…

為時の才能は、当時の権力者・藤原道長の目に留まります。長徳2年(996年)、道長は為時を淡路守に任命しました。しかし、為時はより重要な地位である越前国(現在の福井県)の統治を望んでいたため、その思いを漢詩にしたためて嘆きます。

この漢詩を目にした一条天皇は深く感動し、道長は為時の願いを叶えるべく、越前守への任命を決定しました。為時の文才が、彼の人生を大きく動かした瞬間と言えるでしょう。

悲劇!最愛の息子・惟規の死

その後、為時は越後守として、さらに遠い地へと赴任することになります。遠い道のりとなるため、息子である惟規が付き添うことを決意しました。

しかし、これが悲劇の始まりでした。道中、惟規は突然体調を崩し、帰らぬ人となってしまうのです。為時は、出世の喜びも束の間、最愛の息子を失うという深い悲しみに暮れることになります。

為時の詠んだ歌に込められた思いとは?

惟規の死後、為時は悲しみを乗り越え、国司として職務に励みました。彼の功績は、現在も新潟県に残る「為時神社」などに偲ぶことができます。

まとめ:光と影を併せ持つ為時の人生

藤原為時は、優れた文才で宮廷で認められ、出世街道を駆け上がりました。しかし、その裏では、最愛の息子を失うという大きな悲劇も経験しています。彼の波乱万丈な人生は、私たちに多くのことを考えさせてくれます。

「光る君へ」では、為時がどのように描かれていくのでしょうか?今後の展開から目が離せません。

藤原為時ゆかりの地藤原為時ゆかりの地

※本記事は史実をもとに、ドラマの内容を交えて構成しています。