【衆院選2024】自民党 女性候補者数は過去最多も…課題は山積み?元議員が指摘する「本当の壁」とは

過去最多の女性候補擁立も、その実態は?

10月27日投開票の衆院選では、自民党が過去最多の女性候補者を擁立したことが話題となりました。しかし、元衆院議員の金子恵美氏は、その内実に疑問を呈しています。

金子氏は、AERA 2024年10月28日号のインタビューで、自民党の女性候補者擁立について「中身は物足りないと感じています」と発言。その理由として、他党と比較して女性候補者の割合が低いこと、そして小選挙区からの立候補者が少ないことを挙げています。

比例単独名簿に集中?「かき集めてきた」印象

自民党に限らず、日本の政党では現職議員を優先する傾向があります。そのため、小選挙区の現職男性議員に代わって女性候補者を擁立することは容易ではありません。

金子氏は、自民党が「女性議員を増やそうとしている」というアピールのために、比例単独候補の名簿に多くの女性候補者を集めたと指摘。その中には、自民党の女性党職員の名前も多く見られたことから、「かき集めてきた」という印象を受けたようです。

女性議員を増やすための「本当の努力」とは?

金子氏は、自民党が普段から優秀な女性候補者の発掘に力を入れていたのかについては疑問視しています。女性局が積極的な募集活動を行っていた一方で、党全体としての動きは不十分だったと指摘しています。

また、「政治分野における男女共同参画推進法」は、男女の候補者数を均等にすることを目指す法律ですが、努力義務にとどまっているのが現状です。金子氏は、この法律の限界についても言及しています。

女性議員が直面する「古い壁」

金子氏は、自身が地方議員時代や国会議員時代に経験した、女性蔑視ともとれる言動についても明かしています。消費者行政に関する質問をした際には、年配の男性議員から「野党のような質問をするんじゃない」と叱責されたこともあったそうです。

建設会社の社長からは「公共事業のことわかるの?」「女性はインフラ系はわからないだろう」といった心ない言葉を投げかけられたこともあったと語り、一部の業界では未だに「女性は政治に関わるべきではない」という古い価値観が根強く残っていると指摘しています。

まとめ:真の男女平等実現への道のり

今回の衆院選で自民党が過去最多の女性候補者を擁立したことは、一定の評価をすることができるでしょう。しかし、金子氏の指摘にもあるように、真の男女平等を実現するためには、単に数を増やすだけではなく、意識改革や社会全体の構造的な問題にも取り組んでいく必要があります。

【衆院選2024】自民党 女性候補者数は過去最多も…課題は山積み?元議員が指摘する「本当の壁」とは元衆議院議員の金子恵美氏。自民党の女性候補者擁立について、その実態に疑問を呈している。