韓国ウォン、1ドル=1380ウォン突破!約3ヶ月ぶりのウォン安水準へ

ここ最近、韓国ウォンが対ドルで下落傾向にあります。なんと、1ドル=1380ウォンを超え、約3ヶ月ぶりのウォン安水準となりました。一体なぜこのようなことが起きているのでしょうか?この記事では、その背景や今後の見通しについて詳しく解説していきます。

アメリカ経済の堅調さがドル高を後押し

まず、アメリカの経済状況が大きく影響しています。9月の雇用統計などで示された雇用指標は堅調で、小売売上高も底堅く推移しています。バンク・オブ・アメリカの調査によると、専門家の間ではアメリカ経済が深刻な景気後退に陥らず、ソフトランディング(軟着陸)する可能性が高いと見られています。

こうした状況を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げの可能性は低くなっており、ドル高の要因となっています。

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トランプ前大統領の当選可能性がリスク回避心理を助長

もう一つの要因として、アメリカ大統領選挙の影響も挙げられます。最近の世論調査では、トランプ前大統領が接戦州で優勢であるとの結果が出ており、各種ベッティングサイトでもトランプ前大統領の当選確率が高まっているとされています。

市場関係者の間では、トランプ前大統領が再選を果たした場合、財政赤字の拡大によって国債利回りが上昇し、インフレが再燃して利下げの時期が先送りされると予想されています。こうした不透明感からリスク回避の動きが強まり、ドル高が進んでいると考えられます。

地政学的リスクの高まりもウォン安に拍車

さらに、中東情勢の悪化やロシア・ウクライナ戦争の長期化など、地政学的リスクの高まりもウォン安の要因となっています。こうした状況下では、安全資産とされるドルに資金が流れ込みやすく、新興国通貨であるウォンは売られやすい傾向にあります。

今後の見通しは? 専門家の意見は…

今後の見通しについて、iM証券のパク・サンヒョン研究員は、「トランプ前大統領が当選した場合、ウォン相場は再び1ドル=1400ウォンを超える可能性が高い」と分析しています。年末にかけてアメリカ大統領選挙のリスクが後退し、為替市場が安定する可能性もありますが、トランプ氏の政策リスクが韓国の金融市場に悪影響を及ぼすことも懸念されます。

まとめ:ウォン相場の行方に注目

このように、韓国ウォンはさまざまな要因が複雑に絡み合い、先行き不透明な状況が続いています。今後の動向を注視していく必要がありそうです。