近年、中国の軍事力増強は目覚ましく、特に極超音速兵器の開発は、アメリカをはじめとする周辺諸国に大きな懸念を抱かせています。この脅威に対抗するため、米海軍は最新鋭の迎撃ミサイルシステム「パトリオット」を一部艦船に搭載する計画を進めていることがわかりました。
中国の極超音速兵器、太平洋の脅威となる
中国が開発を進める極超音速兵器は、その速度と軌道予測の困難さから、既存のミサイル防衛システムでは迎撃が極めて難しいとされています。もし中国が太平洋地域にこの兵器を配備した場合、米海軍の艦船は大きな脅威にさらされることになります。
ペンシルベニア州チャンバーズバーグの米軍施設で積み替えられるパトリオットミサイル
海軍の切り札、パトリオットミサイル「PAC3」
米軍は、中国のミサイル技術の進歩に対抗するため、これまで主に陸軍が運用してきたパトリオットミサイル「PAC3」の海軍艦船への搭載を決定しました。PAC3は、その高い機動性と迎撃精度から、極超音速兵器を含む様々なミサイルへの有効な対抗手段として期待されています。
戦略国際問題研究所のミサイル防衛専門家であるトム・カラコ氏は、「PAC3はすでにウクライナで極超音速ミサイルの迎撃に成功しており、その性能は実証済みである」と指摘しています。
PAC3、既存ミサイル防衛システムを補完
米海軍は現在、イージス艦などに搭載されたミサイル防衛システムを運用していますが、中国の高度なミサイル技術に対抗するには十分とは言えません。PAC3は、既存システムでは迎撃が困難な高速・機動性の高い弾道ミサイルにも対応できるため、海軍のミサイル防衛能力を大幅に向上させると期待されています。
ミサイル防衛プログラムのディレクターは、「PAC3は、高速で機動する弾道ミサイルをより容易に命中させ破壊することができるため、米艦に搭載されている既存のミサイルを非常にうまく補完することができる」と述べています。
まとめ
中国の軍事力増強が進む中、米海軍はパトリオットミサイル「PAC3」の艦船への搭載を進めています。PAC3は、極超音速兵器を含む様々なミサイルへの有効な対抗手段として、米海軍のミサイル防衛能力を大幅に向上させると期待されています。