朝ドラといえば、毎朝私たちの心を温かくしてくれる国民的番組。楽しいストーリー展開はもちろん、個性豊かなキャラクターたちも魅力の一つです。しかし、中には「ちょっと困ったちゃん…」と思わずにはいられない人物も。今回は、記憶に新しい朝ドラ作品の中から、俳優の演技力ゆえに視聴者をモヤモヤさせてしまった、でもどこか憎めないキャラクターを5人ご紹介します。第3回は『ちむどんどん』の賢秀(竜星涼)です。
沖縄料理に夢を馳せる暢子の兄、賢秀
暢子と賢秀
2022年前期に放送された『ちむどんどん』のヒロイン暢子(黒島結菜)の兄、賢秀。演じたのは竜星涼さんです。四兄妹の長男である賢秀は、とにかくお調子者。一攫千金を夢見ては様々な騒動を起こし、その度に家族を巻き込んでいきます。
トラブルメーカー賢秀のやらかしの数々
竜星涼
例えば、長女良子(川口春奈)の結婚相手の父親からお金を騙し取ろうとしたり、ねずみ講にハマってしまい、暢子がレストラン開業資金として貯めていた200万円を解約金として支払う羽目になったり…。その行動は到底許されるものではありません。しかし、一方で視聴者が同情してしまう部分もあったのです。
賢秀たちは幼い頃に父親を亡くし、母親や教師になった良子が懸命に家計を支えていました。そんな状況を見てきた賢秀は、兄として家族を楽にさせてあげたいと強く願っていたのでしょう。真面目に働くことが一番だとわかっていても、それができない不器用な男。竜星涼さんのコミカルな演技の中に、時折見せる哀愁が賢秀の複雑な心情を表現していました。 料理研究家の山田花子さん(仮名)も「賢秀の行動は行き過ぎている部分もあるけれど、根底にある家族への愛情は伝わってきました。竜星さんの演技力が光るキャラクターでしたね」とコメントしています。
更生への道と俳優・竜星涼の活躍
妹の暢子に迷惑をかけて深く反省した賢秀は、かつて挫折した養豚場に再び就職。そこで出会った女性と結婚し、真面目に働いて借金を完済しました。竜星涼さんは現在、大河ドラマ『光る君へ』で藤原隆家役を演じており、その演技力の高さで視聴者を魅了しています。『ちむどんどん』の賢秀とは全く異なる役柄ですが、持ち前の演技力で複雑なキャラクターを見事に演じ切っています。
賢秀というキャラクターは、多くの視聴者をモヤモヤさせた一方で、どこか憎めない存在でもありました。それはきっと、竜星涼さんの繊細な演技力によって、賢秀の不器用さや家族への愛情が表現されていたからでしょう。今後の竜星さんの活躍にも期待が高まります。