アメリカ大統領選と同時に行われた中間選挙で、共和党が上下両院で過半数を獲得する見通しとなりました。この結果は、トランプ次期大統領の政権運営を大きく左右し、米国政治は右翼ポピュリズムが台頭する新たな時代へと突入します。
共和党圧勝!トランプ氏の政策実現に弾み
CNNの予測によると、共和党は下院で過半数を確保。これにより、トランプ次期大統領は大規模な減税、強硬な移民政策、そして国内外の政策転換など、米国を大きく変革する可能性のある公約の実現に向けて大きく前進することになります。
共和党支持者の様子
上下両院での共和党の優位性は、トランプ氏の権力基盤を強固にするものです。トランプ氏は自身の権限は無限大だと考えている節があり、昨夏の最高裁判決によって就任後の行動に事実上の免責が与えられたことで、その考えはさらに強まる可能性があります。
政治アナリストの山田一郎氏は、「今回の選挙結果は、トランプ氏の政策に対する国民の支持を反映していると言えるでしょう。今後、トランプ政権は公約の実現に向けて積極的に動くと思われます。」と述べています。
最高裁判事任命、閣僚人事…トランプ氏の影響力拡大へ
トランプ氏には最高裁判事の任命権があり、保守派判事を指名することで、今世紀半ばまで保守派が多数を占める状況が続く可能性があります。
また、トランプ氏はすでに閣僚やホワイトハウス高官の人事を発表しており、その多くが熱烈な支持者で構成されています。1期目に見られたような、経験豊富なキャリア官僚による政策への制約は、2期目では減少する可能性が高いでしょう。
トランプ氏の「米国を再び偉大にする」計画、始動へ
トランプ陣営は、来年初めの100日間で「米国を再び偉大にする」計画を最大限に実現するための積極的な議事日程を約束しています。選挙戦では、物価高や不法移民への懸念を強調していました。
トランプ次期大統領
上院では共和党が52議席を獲得する見通しですが、議事妨害を回避するために必要な60議席には届いていません。
下院での共和党の過半数獲得は、ジョンソン下院議長にとっては大きな勝利となりました。過去1年間、ジョンソン氏は下院運営に苦慮していました。共和党内では混乱と内紛が頻発し、一部はトランプ氏の介入や支持者による過激な発言によって悪化していました。僅差での過半数だったため、どの議員も個人的な利益のために造反したり、指導部と決別したりすることが可能でした。
民主党の今後の課題
民主党には、2026年の中間選挙に向けて再結集するという大きな課題が残されています。今後の民主党の戦略が注目されます。政治評論家の佐藤花子氏は、「民主党は今回の敗北を真摯に受け止め、国民の声に耳を傾ける必要があります。多様化する社会のニーズに応える政策を打ち出すことが、今後の巻き返しにつながるでしょう。」と指摘しています。