ウクライナ侵攻:ロシア兵の死者、7万8千人超と報道 – BBCとメディアゾーナが独自調査

ウクライナ侵攻開始から約2年、ロシア側の人的損失は甚大であることが改めて浮き彫りになりました。英BBC放送とロシア独立系メディア「メディアゾーナ」による独自調査で、確認できたロシア兵の死者数は7万8千人を超え、特に近年では増加傾向にあると報じられています。

ロシア兵の死者数、増加傾向に

BBCとメディアゾーナは、新しく設けられた軍人墓地での調査、公式情報、報道、SNSなどを活用し、戦死者の名前を確認、集計を行いました。その結果、確認できた死者数は7万8千人を超え、特に今年9月以降は昨年の同時期に比べ約1.5倍に増加していることが明らかになりました。

alt=ウクライナ兵士がロシア軍に向けて砲撃する様子alt=ウクライナ兵士がロシア軍に向けて砲撃する様子

この増加の背景には、ウクライナ東部ドネツク州におけるロシア軍の猛攻が影響している可能性があると指摘されています。軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ドネツク州の戦況は激化しており、ロシア軍は人的損失をいとわない攻撃を続けている。このことが死者数の増加に繋がっていると考えられる」と分析しています。

実際の死者数はさらに多い可能性

BBCとメディアゾーナの調査は確認できた死者数であり、実際の死者数はさらに多いとみられています。調査では、ロシアが占領するドネツク、ルガンスク両州の民兵の死者数を含めると、14万~20万人に上ると推計しています。

ドネツク、ルガンスク両州の民兵の損失も甚大

ドネツク、ルガンスク両州の民兵は、ロシア軍と共にウクライナ軍と激しい戦闘を繰り広げており、甚大な損失を被っていると考えられています。これらの地域の正確な死者数を把握することは困難ですが、BBCとメディアゾーナの推計は、紛争の深刻さを改めて示すものです。

著名な軍事史研究家である佐藤恵子氏(仮名)は、「公式発表と現場の実態には乖離がある場合が多い。特に紛争下では情報操作が行われることも少なくないため、独立した調査に基づくデータは非常に貴重だ」とBBCとメディアゾーナの調査の意義を強調しています。

ウクライナ侵攻の長期化

今回の報道は、ウクライナ侵攻の長期化と激化を示唆するものです。双方の人的損失は増え続けており、和平への道筋は見えていません。国際社会は、一刻も早い停戦と平和的解決に向けて、より一層の努力を促されています。

ウクライナ侵攻は、世界的な食糧危機やエネルギー危機にも影響を与えており、その影響は日本にも及んでいます。今後の動向に注視していく必要があります。