ウクライナ侵攻1000日前、露軍の攻撃激化 オデーサで10人死亡、キーウなど全土で計画停電

ロシアによるウクライナ侵攻開始から1000日を迎える直前、ロシア軍の攻撃が激化しています。この記事では、最新の攻撃状況、ウクライナ側の対応、そして国際社会の反応について詳しく解説します。

ロシア軍の無差別攻撃、民間人犠牲者が増加

11月18日、ロシア軍はウクライナ南部オデーサ州オデーサの住宅街を弾道ミサイルで攻撃。民間人を標的にしたこの攻撃により、10人が死亡、43人が負傷しました。前日の17日夜には北東部スムイ州スムイへのミサイル攻撃で子ども2人を含む11人が死亡、89人が負傷。さらに同日、キーウを含むウクライナ全土で発電所などエネルギー施設を標的にした大規模攻撃が行われ、7人が死亡しました。わずか2日間で、合わせて28人もの尊い命が奪われました。

ウクライナ南部ミコライウで、ロシア軍の無人機攻撃を受けた住宅の消火にあたる消防士ウクライナ南部ミコライウで、ロシア軍の無人機攻撃を受けた住宅の消火にあたる消防士

ロシア軍は、侵攻開始から1000日という節目を前に、ミサイルや無人機を使った攻撃を強化しているようです。軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ロシアは冬が来る前にウクライナのインフラを破壊し、市民生活を混乱させ、抵抗力を弱めようとしている可能性が高い」と指摘しています。

エネルギー施設への攻撃、全土で計画停電

17日のエネルギー施設への集中的な攻撃では、ロシア側は極超音速ミサイル「キンジャル」など約120発のミサイルと90機の無人機を使用したとされています。オデーサ州、ミコライウ州、リビウ州、ドニプロペトロウシク州で少なくとも7人が死亡しました。

これらの攻撃は、厳冬期を前に送電施設などエネルギー施設を意図的に狙ったものとみられています。ウクライナ国営電力会社「ウクルエネルゴ」は17日、攻撃の影響で18日午前6時から午後10時の間、全土で計画停電を実施すると発表しました。

ゼレンスキー大統領、G20首脳に訴え

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日夜、SNSへの投稿で、ブラジルに集まっているG20首脳らに「ロシアの継続的なテロ行為に目をつぶらないことを求める」と訴えました。国際社会からの更なる支援とロシアへの圧力強化が求められています。

ウクライナ軍の反撃とロシア側の対応

ウクライナ軍もロシア領内への無人機攻撃で対抗しています。モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長は18日、モスクワ中心部から東方約70キロの地点で無人機を撃墜したと発表しました。

ウクライナ紛争は長期化の様相を呈しており、民間人への被害は拡大する一方です。一刻も早い停戦と平和的解決が望まれます。