テニス界の巨星、ラファエル・ナダル選手(38歳、スペイン)が、2024年11月19日、スペイン・マラガで開催されたデビスカップを最後に現役を引退しました。輝かしいキャリアの終焉を見届けようと、会場は多くのファンで埋め尽くされました。
ナダル、最後の試合で惜敗
デビスカップ準々決勝、スペイン対オランダ戦。ナダル選手は第1試合のシングルスに登場し、ボティク・ファン・デ・ザンスフルプ選手と対戦。得意のフォアハンドを随所に炸裂させるなど、健在ぶりを見せつけましたが、惜しくも4-6、4-6のストレートで敗れました。スペインチームは第2試合でカルロス・アルカラス選手が勝利したものの、続くダブルスで敗退。1勝2敗でオランダに惜敗し、ナダル選手の最後の試合は幕を閉じました。
ナダル選手の最後の試合の様子
1万1500人のファンがスタンディングオベーション
試合後、1万1500人の観客が詰めかけた会場は「ラファ、ラファ、ラファ」の大合唱に包まれました。ステージ中央に立ったナダル選手には、観客から1分以上ものスタンディングオベーションが送られました。観客席には、妻と幼い息子、両親、妹の姿もあり、感動的なシーンとなりました。
感動のラストメッセージ
ナダル選手は、「20年間のプロとしてのキャリアで、良い時も悪い時もプレーを続けるよう、みなさんが背中を押してくれた」と感謝の言葉を述べました。「本当はこんな日が来てほしくなかった。テニスをすること自体には飽きていないけれど、体がもうプレーしたがらない。そのことを受け入れなくてはいけない。長い間、趣味を仕事にすることができて、とても光栄だった」と、時折言葉を詰まらせながら、引退の決意を語りました。
輝かしい実績を振り返る
「クレーの王者」の異名を持つナダル選手は、全仏オープンで史上最多14回の優勝を誇ります。これは、4大大会における単一大会の最多優勝記録です。全仏オープンでの通算成績は116試合112勝と圧倒的な強さを誇りました。
グランドスラム22勝、デビスカップ優勝にも貢献
4大大会のシングルスでは通算22勝を挙げ、ノバク・ジョコビッチ選手に次ぐ歴代2位の記録を保持しています。全仏オープン14勝に加え、全米オープン4勝、全豪オープンとウィンブルドンでそれぞれ2勝を挙げています。オリンピックではシングルスとダブルスの両方で金メダルを獲得。デビスカップでもスペイン代表として4度の優勝に貢献しました。
スポーツ界のスーパースターからメッセージ
セレモニーでは、ナダル選手のこれまでの功績を称えるビデオメッセージが上映されました。ロジャー・フェデラー氏、ノバク・ジョコビッチ氏、セリーナ・ウィリアムズ氏、アンディ・マリー氏といったテニス界のレジェンドをはじめ、サッカー界からはデビッド・ベッカム氏、アンドレス・イニエスタ氏、ゴルフ界からはセルヒオ・ガルシア氏など、様々なスポーツ界のスーパースターたちが、ナダル選手への感謝と敬意を込めたメッセージを送りました。
最後の投げキス
大きな拍手に包まれながら、ナダル選手はプロ選手として最後の投げキスをし、コートを後にしました。テニス界のレジェンドは、こうして静かに、しかし輝かしいキャリアに幕を閉じました。