長野市青木島遊園地廃止問題:市が再発防止策を発表、市民との対話を重視

長野市の青木島遊園地廃止問題を受け、市は11月20日、再発防止に向けた今後の取り組みの方向性を発表しました。住民説明を欠いたまま廃止手続きが進められたことが大きな問題となり、市は手続きの透明化と地域住民との対話を重視する姿勢を明確にしました。

住民説明不足を反省、信頼回復へ

荻原市長は会見で、「市の仕事、市長の判断はどうなっているのか、大きな不安、ご心配を与えてしまった。間違いなく、信頼は落ちてしまった」と述べ、今回の問題を深刻に受け止めていることを強調しました。一部住民からの苦情をきっかけに廃止が決まった青木島遊園地ですが、住民への説明が不十分だったことが批判を招いていました。

青木島遊園地の撤去作業青木島遊園地の撤去作業

手続きのルール明文化、決裁権者も見直し

市は有識者と共に、今回の問題における合意形成や事務手続きの課題を検証。その結果、「手続きルールの不明確さ」「決裁権者の問題」「住民説明の軽視」といった点が問題点として挙げられました。 例えば、公園廃止に関する明確なルールが明文化されていなかったこと、部長ではなく課長レベルで決裁が行われていたこと、そして何より住民への説明を怠っていたことが大きな問題となりました。 専門家である都市計画コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「公園のような公共空間の廃止は、地域住民の生活に大きな影響を与えるため、丁寧な説明と合意形成が不可欠です」と指摘しています。

更地にするため伐採される樹木更地にするため伐採される樹木

今後、市は事務手続きのルールを明確化し、市民に影響のあるものは公表する方針です。また、事案の重要度に応じた決裁権者の見直しや、地域住民との対話強化にも取り組むとしています。具体的には、地域住民との意見交換会を定期的に開催する、オンラインアンケートを実施するなど、多様な方法で住民の声を聴取する予定です。

市民の声を重視、信頼回復を目指す

荻原市長は、「市民の皆さまの意見が集約されたのかどうか、職員も一市民としての感度をもっとしっかり持つことが大事だと反省している」と述べ、市民の声を真摯に受け止め、信頼回復に努める姿勢を示しました。今回の問題を教訓に、市政運営の透明性を高め、市民との信頼関係を再構築していくことが求められています。