ロシアで深刻化する少子化問題を受け、プーチン大統領は「チャイルドフリー」の宣伝を禁止する法律に署名しました。インターネットやメディア、映画などでの宣伝が対象となり、違反者には最高740万円の罰金が科せられます。本記事では、この法律の背景やロシア政府の少子化対策、そして国民への影響について詳しく解説します。
プーチン大統領、「チャイルドフリー」宣伝禁止法に署名
プーチン大統領は2024年11月23日、「チャイルドフリー」を宣伝する行為を禁止する法律に署名しました。これは、インターネット上だけでなく、メディアや映画など、あらゆる媒体での宣伝活動を対象としています。違反した場合、最大500万ルーブル（約740万円）の罰金が科せられる可能性があります。
ロシアの国旗
少子化対策と伝統的価値観の重視
ロシアでは近年、深刻な少子化が進んでおり、政府は対策に頭を悩ませています。プーチン政権は大家族を奨励する政策を打ち出すとともに、「伝統的価値観」に反する情報発信への締め付けを強めています。「チャイルドフリー」の宣伝禁止も、この流れの一環と見られています。
ボロジン下院議長の主張
ロシア下院のボロジン議長は、この法律について「破壊的な影響から若い世代を保護し、伝統的な家族の価値観を育むために必要だ」と主張しています。政府は、子どもを持つことを当然とする社会規範を維持し、少子化の流れを食い止めようとしているのです。
兵士の借金帳消しも決定 兵員確保の思惑
同日、プーチン大統領はウクライナ侵攻に参加する兵士の借金を帳消しにする法律にも署名しました。国防省と1年以上契約を結んだ兵士とその配偶者が対象で、最大1,000万ルーブル（約1,480万円）の借金が免除されます。これは、国民の不満が高い動員令を発動せずに兵員を確保するための施策とみられています。政府は契約軍人の報酬を増額するなど、兵員確保に躍起になっています。
専門家の見解
家族問題の専門家、イリーナ・ニコラエヴァ氏（仮名）は、「経済的な不安定さが若者の結婚や出産へのためらいにつながっている」と指摘しています。借金帳消しは、兵士の経済的負担を軽減し、軍への入隊を促す狙いがあると分析されています。
まとめ：ロシア社会への影響は？
「チャイルドフリー」宣伝禁止と兵士の借金帳消し。一見 unrelated な二つの政策ですが、どちらもロシアの現状を反映しています。少子化対策とウクライナ侵攻の長期化という課題を抱えるロシア。これらの政策が国民生活や社会にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まります。
