ロンドンの注目レストラン「ザ・イエロービターニ」で、最近話題になっているある客層の行動をご存知でしょうか?それは、いわゆる「ウィンドウダイニング」。まるでウィンドウショッピングのように、レストランの雰囲気だけを楽しみ、必要最低限の注文しかしない客のことです。一体何が起きているのでしょうか?今回は、この「ウィンドウダイニング」問題について、詳しく掘り下げてみましょう。
「レストランは公共のベンチではない」シェフの叫び
「ザ・イエロービターニ」のシェフ、ヒュー・コーコラン氏は、4人で来店し、前菜1品、メイン2品をシェア、飲み物は水だけ…といった少額注文をする客に頭を悩ませていました。ついに堪忍袋の緒が切れ、自身のインスタグラムで「レストランは公共のベンチではない」「お腹が空いていないなら来ないでください」と訴えたのです。この投稿は瞬く間に拡散され、150件以上の賛否両論のコメントが寄せられる事態となりました。
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中には「不寛容だ」とシェフを非難する声もあがりましたが、「同感だ」と共感を示す声も多く、飲食店経営者や従業員を中心に共感の輪が広がっています。 飲食業界専門家の佐藤一郎氏(仮名)も「飲食店の経営は非常にシビア。少額注文ばかりでは経営が成り立ちません。お客様にも一定のマナーは必要です」と指摘しています。
「ウィンドウダイニング」客、その実態とは?
コーコラン氏のレストランは、座席数わずか18席。営業は平日のランチタイムのみで、現金払い限定。ウェブサイトやSNSアカウントを持たず、予約は電話か手紙でのみ受け付けています。 こうした独自のスタイルにも関わらず、予約をしてまで来店する客の中には、極端に少食な客や、料理よりも写真撮影に夢中な客がいるといいます。 彼らは、食事を楽しむことよりも「行った」という事実を重視する「ウィンドウダイニング客」なのです。
シェフが求める「レストランのエチケット」
コーコラン氏は、こうした「お金を使わない」「食事を楽しもうとしない」客を「マナー違反だ」と批判しています。 「映画館では静かにする、劇場やバーにはそれぞれのエチケットがあるように、レストランにも客としてのエチケットがある」と彼は主張します。 彼のレストランのコンセプトは「昼間からお酒を飲みながら、ゆっくりとランチを楽しめる店」。そこで彼が求める最低限のマナーは、「1人につき最低でもメイン1品相当を注文すること」です。
まとめ:レストランを楽しむための心構え
今回の「ウィンドウダイニング」騒動は、レストランにおける客としてのマナーについて改めて考えさせられる出来事となりました。 レストランは、美味しい料理を楽しむだけでなく、空間やサービスも含めた総合的な体験を提供する場所です。 訪れる際には、お店のコンセプトや雰囲気を尊重し、適切な注文をすることが、より良いレストラン体験につながるのではないでしょうか。 みなさんも、ぜひ一度「ザ・イエロービターニ」のようなこだわりのレストランを訪れて、最高のランチ体験を味わってみてください。