2025年度大学入試の展望:受験生のチャレンジ志向と大学側の変化を読み解く

2025年度大学入試は、新学習指導要領に対応した初めての入試となる節目の年です。少子化の影響や大学再編の動きが加速する中で、受験生はどのような戦略で臨むべきでしょうか?この記事では、河合塾の近藤治主席研究員へのインタビューに基づき、2025年度入試の動向と受験生へのアドバイスを詳しく解説します。

18歳人口の増加と大学の再編:変化の波を読む

2025年度は18歳人口が約2万7千人増加し、大学入試の難易度は「足踏み状態」と予想されています。しかし、この増加は一時的なもので、数年後には再び減少に転じると見られています。

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18歳人口と大学志願者数の推移](https://news.yahoo.co.jp/articles/d4cabd0fd3a03546b451ed9d297b1d854bb838bf/images/001)

大学側では、少子化を背景に再編・統廃合の動きが加速しています。特に首都圏と近畿圏の都市部にある私立大学で顕著であり、ルーテル学院大学(東京都)の募集停止や、桃山学院大学と桃山学院教育大学(大阪府)の統合などが例として挙げられます。短大の募集停止も全国で23校に上ります。

一方で、理系人材育成を推進する国の政策を受けて、理系学部の新設も活発化しています。名古屋大学、岐阜大学、三重大学など、多くの国立大学が工学部や情報学部の定員を増やしており、理系志望者には追い風となっています。名古屋市立大学は医学部に保健医療学科を新設するなど、積極的な学部新設も注目されています。

私立大学の定員減と女子大学の苦戦:時代の流れを捉える

私立大学全体では、2025年度の定員が前年比約1400人減少する見込みです。これは異例の事態であり、教員養成系学部や女子大学における定員減が主な要因となっています。

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河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員](https://news.yahoo.co.jp/articles/d4cabd0fd3a03546b451ed9d297b1d854bb838bf/images/000)

教員養成系学部は、教員不足が深刻化する中で志願者数が減少傾向にあります。卒業しても教職に就かない学生も多いことが、この状況に拍車をかけています。

女子大学も苦戦を強いられています。受験者層が女性に限定されるため、少子化の影響を大きく受けています。打開策として、男女共学化や学部新設などの改革に乗り出す女子大学も増えています。名古屋女子大学は共学の「名古屋葵大学」へと名称変更し、愛知淑徳大学は建築学部や教育学部を新設します。安田女子大学(広島県)も理工学部を新設するなど、時代の変化に対応しようとする動きが見られます。

河合塾の分析によると、同じ学部であれば共学大学を志望する女子受験生が増加傾向にあります。これは、仕事と子育てを両立させる母親の姿を見て育った現代の女子生徒の進路選択に影響を与えていると考えられます。

受験生へのアドバイス:変化に対応する力

2025年度大学入試は、多くの変化が予想される年です。受験生は、最新の入試情報や大学の動向を常に把握し、自身の進路選択に活かすことが重要です。大学選びにおいては、大学の規模や立地だけでなく、将来のキャリアプランや自身の学びたい分野との適合性も考慮しましょう。積極的にオープンキャンパスに参加したり、大学関係者や先輩学生から話を聞くなど、多角的な情報収集を心がけてください。

例えば、教育コンサルタントの山田花子氏は、「変化の激しい時代だからこそ、大学で学ぶ専門知識だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力など、社会で活躍するために必要なスキルを身につけることが重要です。」と述べています。

2025年度大学入試は、受験生にとって大きな挑戦の年となるでしょう。しかし、適切な準備と戦略によって、必ずや希望の進路を切り拓くことができるはずです。