ジョージア(グルジア)の政情不安が深刻化しています。EU加盟交渉の凍結を巡り、首都トビリシでは大規模な抗議デモが発生し、ズラビシビリ大統領は任期満了後も続投する意向を表明しました。今後のジョージア情勢はどうなるのでしょうか?
EU加盟凍結で高まる緊張
10月に行われた議会選挙で親ロシア派の与党「ジョージアの夢」が過半数を獲得。再任されたコバヒゼ首相は、EU加盟交渉を2028年末まで凍結すると宣言しました。
トビリシの議会近くでEU加盟交渉凍結に抗議するデモ隊
この決定に反発した野党支持者らは、トビリシの議会周辺で抗議デモを展開。火炎瓶を投げるデモ隊と、放水や催涙弾で鎮圧を図る治安当局との間で激しい衝突が発生しています。ジョージア政治専門家の田中一郎氏(仮名)は、「EU加盟はジョージア国民の悲願であり、凍結決定は国内の親欧米派の強い反発を招くことは必至だった」と指摘しています。
ズラビシビリ大統領、続投を宣言
親欧米派として知られるズラビシビリ大統領は、10月の議会選挙で選出された議会を「非合法」と主張。12月に大統領の任期が満了するにも関わらず、続投する意向を表明しました。
ズラビシビリ大統領
大統領のこの行動は、既に不安定なジョージア情勢に更なる混乱をもたらす可能性があります。国際政治アナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「大統領の続投宣言は、ジョージアの民主主義の危機をさらに深める可能性がある。国際社会は、ジョージアの政治的安定を支援するために、より積極的な役割を果たすべきだ」と述べています。
ジョージアの未来は?
EU加盟凍結、大規模デモ、大統領の続投宣言と、ジョージアを取り巻く状況は混迷を極めています。今後のジョージア情勢は、国内の政治的安定だけでなく、周辺地域の地政学的バランスにも大きな影響を与える可能性があります。ジョージアの未来は、まさに岐路に立たされていると言えるでしょう。