八代亜紀さん。「雨の慕情」「舟唄」…数々の名曲を歌い上げ、昭和歌謡界を彩った歌姫の急逝から1年が経とうとしています。多くのファンが悲しみに暮れる中、今年、八代さんの自宅に大きな変化があったことをご存知でしょうか。それは、5億円ともいわれた豪邸の売却です。一体、何が起きたのでしょうか。今回は、その真相に迫ります。
歌姫の愛した豪邸、売却の理由は?
2004年に建てられた八代さんの豪邸は、地下1階、地上4階建て。八代さん自身の手による絵画が飾られたギャラリーや所属事務所も併設され、3階以上が住居スペースとなっていました。都内の一等地に建つこの豪邸は、当時5億円と報じられたほどの豪華さでした。築20年とはいえ、その価値は今もなお高いはず。なぜ売却されたのでしょうか?
八代亜紀さんの豪邸
その答えは、八代さんの生前の遺言にありました。八代さんの所属事務所『ミリオン企画』の元社長、大野誠氏によると、八代さんは遺言書の中で「ミリオン企画を解散する」と記していたとのこと。土地は八代さん個人、建物は会社が所有していたため、相続に伴い土地は会社へ贈与されました。しかし、法人を解散するには資産の処分が必要となるため、今年6月に会社を解散し、同時期に自宅兼事務所を知人の不動産会社へ売却したとのことです。売却益は、従業員の退職金と法人の解散に必要な経費に充てられたといいます。
遺言作成の背景にあった“ある騒動”とは
大野氏によると、八代さんは“ある騒動”をきっかけに身辺整理を進めていたといいます。ある時、八代さんから「権利財産の管理会社を立ち上げてほしい」と頼まれた大野氏。その真意は分からぬまま、八代さんの希望通り新会社を設立し、楽曲や絵画の権利などを事業譲渡という形で買い取りました。後に分かったことですが、八代さんはその頃から弁護士と相談し、死後の手続きに関する遺言書の作成を進めていたそうです。この遺言書の作成は、八代さんが離婚された後のことだったといいます。
従業員への深い愛情が導いた決断
豪邸の売却、そしてミリオン企画の解散。これらの決断は、八代さんの深い愛情と先見の明から生まれたものでした。従業員の生活を守り、円満な相続を実現するために、生前から綿密な準備をしていた八代さん。歌姫としてだけでなく、人としての偉大さを改めて感じさせられます。
歌声だけでなく、その生き様までもが私たちに感動を与えてくれる八代亜紀さん。彼女の想いは、これからも多くの人の心に生き続けることでしょう。