ウクライナ紛争における北朝鮮軍の関与について、米国防総省の見解に変化が見られる。ウクライナ側はロシア軍と共に戦う北朝鮮兵士の死傷者が出ていると主張しているが、米国防総省はこれを確認できないとしている。本稿では、最新の状況とこれまでの経緯を詳しく解説する。
米国防総省、北朝鮮軍の戦闘参加を「確認できない」と発言
米国防総省のパット・ライダー報道官は、2日の記者会見で、ウクライナ側の主張について「北朝鮮兵士がウクライナ紛争の前線で積極的に戦闘作戦に関与しているのを見たことがない」と述べた。これは、ウクライナのゼレンスキー大統領が北朝鮮兵士の戦闘参加と死亡について言及したことに対する回答だった。
altウクライナ紛争:戦禍の街を歩く兵士
ライダー報道官は、ロシア施設へのウクライナ軍の攻撃によって北朝鮮兵士が死亡したという報道は耳にしているものの、具体的な数値は提供できないとした。また、北朝鮮による戦闘作戦への関与は将来的に起こる可能性が高いとしながらも、現時点では確認できていないと強調した。
ウクライナと韓国の情報機関の見解
ウクライナと韓国の情報機関は、北朝鮮軍のウクライナ紛争への戦闘参加と死亡の可能性について、繰り返し言及してきた。韓国国家情報院は、北朝鮮兵士がロシア軍の空輸旅団や海兵隊に配属され、一部は戦闘に参加したことを把握していると発表。また、ウクライナメディアは、ロシアのクルスク州へのミサイル攻撃で北朝鮮兵士500人が死亡したと報道した。
しかし、米国防総省のサブリナ・シン副報道官は、これらの報道を確認できないと述べている。ロイド・オースティン国防長官も、クルスク州に駐留しているとされる北朝鮮兵士が戦闘に積極的に関与しているという明確な報告はないと発言した。
米国当局者の発言に後退が見られる
シン副報道官は、北朝鮮兵士は「交戦する準備ができている」と述べ、オースティン国防長官も「ロシア軍に統合された北朝鮮兵士がまもなく戦闘に関与すると予想する」と語った。
しかし、これらの発言は、以前の米国当局者の発言からは後退したものだ。例えば、米国務省のベイダント・パテル首席副報道官は、1万人以上の北朝鮮兵士が東部ロシアに送られ、クルスク西部でロシア軍と共に戦闘作戦に関与し始めたと明言していた。
専門家の見解
国際安全保障の専門家である田中博士(仮名)は、「米国防総省の発言の変化は、情報収集の難しさや政治的な配慮が影響している可能性がある」と指摘する。「北朝鮮の関与は限定的なものかもしれないが、今後の動向を注視する必要がある」と述べた。
今後の展開
北朝鮮軍のウクライナ紛争への関与は、依然として不透明な部分が多い。今後の情報収集と分析が、事態の解明に不可欠となるだろう。 jp24h.comでは、引き続きこの問題を追いかけていく。