猪口邦子議員の夫・孝氏と長女、自宅火災で焼死…国際政治学者夫婦の軌跡と悲劇

猪口邦子参議院議員の自宅マンションで発生した火災により、夫である国際政治学者の猪口孝氏と長女が亡くなられた痛ましい出来事がありました。現代政治学の第一人者として活躍し、日本国際政治学会理事長も務めた孝氏。同じく国際政治学者である邦子氏と共に歩んできた二人の軌跡、そして突然の悲劇について振り返ります。

膨大な蔵書が火災を激化させた可能性

11月27日、東京都文京区小石川にある猪口議員の自宅マンション最上階で火災が発生。約150平米のペントハウスは炎に包まれ、鎮火まで時間を要しました。消防車が入りにくい立地条件に加え、室内に収蔵されていた膨大な蔵書が火災を激化させた可能性が指摘されています。孝氏は生前、「学生の間に2トンの本を読もう」という言葉を残していたほどの読書家でした。

火災現場火災現場

日本大学名誉教授の岩井奉信氏は、孝氏の東京大学東洋文化研究所時代の研究室の様子を「4つほど部屋を持っていたが、そのうち3つは書庫で図書館のようだった」と証言。自宅にも多くの蔵書を持ち込んでいたと推測されます。「趣味は勉強」と公言し、英語の著書を海外で出版するなど、語学にも堪能だった孝氏。岩井氏によると、現地の人々の言葉を観察するだけで1ヶ月ほどで理解してしまうという驚異的な才能の持ち主でもあったそうです。

「趣味は政治学」 天才肌の国際政治学者

東京外国語大学大学院教授の篠田英朗氏は、孝氏を「常に家で読書に耽る」人物として回想。一方、邦子氏は「外で精力的に活動する」タイプで、二人の対照的な性格が「パズルのピースのように組み合わさり、一つの家庭を築いていた」と語っています。

猪口邦子参議院議員猪口邦子参議院議員

1976年の出会いから築かれた学者夫婦の絆

二人が出会ったのは1976年。邦子氏が2007年に出版した著書「くにこism」には、二人の出会いについて記されています。

突然の悲劇、今後の政界への影響は

学者夫婦として、そして政治家一家として歩んできた猪口家。今回の悲劇は、政界にも大きな衝撃を与えました。今後の動向に注目が集まっています。

この火災は、多くの人の心に深い悲しみを残しました。改めて火災の恐ろしさを認識するとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。