日本維新の会は、吉村洋文新代表のもと新たな船出を切りました。しかし、その船出は決して順風満帆とは言えないようです。前原誠司氏の共同代表就任を巡り、党内からは様々な声が上がっています。今回の記事では、新体制発足からわずか1週間で何が起きているのか、その内幕に迫ります。
吉村新代表誕生!低投票率の陰に潜むもの
12月1日、日本維新の会の代表選挙で吉村洋文氏が圧勝し、新代表に就任しました。8割近い得票を得た一方で、投票率は4割にとどまり、党内における関心の低さを露呈する結果となりました。大阪での圧倒的な人気を誇る吉村氏の勝利は、選挙前から確実視されていましたが、この低投票率は新体制の船出に影を落とすことになります。
吉村新代表就任時の様子
前原氏共同代表就任に党内騒然!その狙いは?
代表選以上に注目を集めたのは、吉村新代表による人事でした。特に、国会活動を担う共同代表の人選は大きな焦点となっていました。そして、就任直後の記者会見で発表されたのは、なんと前原誠司氏。10月に維新に合流したばかりの前原氏の抜擢に、会見場は騒然となりました。民主党政権で要職を歴任したベテラン議員である前原氏ですが、他党からも驚きの声が上がるほど、異例の抜擢だったと言えるでしょう。政治評論家の山田一郎氏は、「吉村代表は、前原氏の豊富な経験と知名度を活かし、党勢拡大を図ろうとしているのではないか」と分析しています。
若手登用で世代交代を加速?吉村カラー鮮明に
共同代表に前原氏を据えた一方で、他の党幹部人事では若手議員の登用が目立ちました。幹事長、政調会長、総務会長にはいずれも40代の議員が就任。国対委員長には50歳の漆間譲司氏が抜擢されました。国対委員長は国会運営において重要な役割を担いますが、経験の浅い漆間氏の起用には党内から疑問の声も上がっています。「国対委員長は国会交渉の最前線に立つ重要なポスト。経験豊富な議員を起用すべきだった」という声も少なくありません。しかし、吉村代表は、いわゆる「飲み食い政治」からの脱却を掲げており、酒を飲まないことで知られる漆間氏を「新しい政治」の象徴として起用したと見られています。
新執行部のガッツポーズ
吉村維新、前途多難?
吉村新体制は、前原氏というベテランと若手議員の融合という、異色の布陣でスタートしました。しかし、前原氏の起用に対する党内の反発や、若手議員の経験不足など、課題は山積しています。吉村代表の手腕が問われるのはこれからです。今後の維新の動向に注目が集まります。