中山美穂さんが12月6日、54歳という若さで突然この世を去りました。1980年代を代表するトップアイドルとして一世を風靡し、女優としても活躍した彼女の波乱万丈な人生を振り返ります。
少女時代から芸能界へ
長野県で生まれ育った中山さんは、3歳の時に両親が離婚。母と妹と共に上京し、親戚の家を転々とするなど幼少期は苦労も多かったといいます。原宿でスカウトされたことをきっかけに、母を幸せにしたい一心で芸能界入りを決意しました。
1985年、中学3年生でドラマ『毎度おさわがせします』で女優デビュー。ツッパリ娘役を好演し、一躍人気アイドルの仲間入りを果たします。同年に主題歌『C』で歌手デビューも飾り、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。アイドルとして順風満帆なスタートを切りました。
中山美穂さん出演ドラマ「毎度おさわがせします」のワンシーン
アイドル像からの脱却と新たな挑戦
トップアイドルとして活躍する一方で、中山さん自身はアイドル像に違和感を抱いていたそうです。「地味でいいから手応えのあるものをやりたい」と、女優としてより深く表現することを模索していました。
転機となったのは、1995年に公開された映画『Love Letter』。岩井俊二監督の初長編映画で、中山さんは一人二役を演じ、その演技力が高く評価されました。この作品でブルーリボン賞主演女優賞を受賞し、アイドルのイメージを払拭。その後はアート系の映画にも挑戦するなど、女優としての幅を広げました。
パリでの生活と離婚、そして晩年
2002年、作家でミュージシャンの辻仁成氏と結婚。生まれてくる子供のためにパリへ移住し、2004年には長男を出産。子育てに専念しました。しかし、2014年に離婚。フランスの法律では親権は半分ずつとなりますが、日本ではどちらか一方となるため、最終的に辻氏が親権を持つことになり、中山さんは激しいバッシングを受けることとなりました。
芸能評論家の山田一郎氏（仮名）は、「海外での子育てと日本の社会通念の違いが、誤解を生んでしまったのでしょう。中山さん自身も苦渋の決断だったはずです」と語っています。
その後、日本に戻り芸能活動を再開した中山さん。近年はライブ活動にも力を入れており、精力的に活動していました。突然の訃報に、多くのファンや関係者が悲しみに暮れています。
心に残る名曲と演技、そしてその生き様
数々のヒット曲、印象的な演技で多くの人々を魅了した中山美穂さん。その波乱万丈な人生は、私たちに多くのことを考えさせます。彼女の歌声と、スクリーンに映し出された姿は、これからも私たちの心に生き続けるでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
