異常解決から神話へ…ドラマ「全領域異常解決室」脚本家・黒岩勉×プロデューサー・大野公紀インタビュー:藤原竜也&広瀬アリスの演技の凄み、そしてクライマックスへ

「全領域異常解決室」――不可解な事件を解決する謎の組織。その実態は、日本神話の神々が現代社会を守るために暗躍する物語だった。主演の藤原竜也、広瀬アリスのキャスティング秘話、そして怒涛の展開を迎えるクライマックスに向けて、脚本家の黒岩勉氏とプロデューサーの大野公紀氏にインタビューを敢行。制作の裏側、そしてドラマに込められたメッセージとは?

神様×人間…異色のバディ誕生秘話

なぜ藤原竜也が神様なのか?

「最初から藤原竜也さんしかいないと思っていました」と黒岩氏。神様を演じるには、唯一無二の存在感と説得力が必要不可欠。飄々とした中に深みを感じさせる興玉雅というキャラクターは、藤原さんの演技力があってこそ生まれたと言えるでしょう。大野氏も「過去の作品で数々の名シーンを生み出してきた藤原さんなら、この作品でも更に記憶に残る演技を見せてくれると確信していました」と太鼓判を押す。

藤原竜也が演じる興玉雅藤原竜也が演じる興玉雅

広瀬アリスは視聴者の目線、そして…

視聴者と同じ目線で物語に入り込み、変化していく雨野小夢という役には、広瀬アリスさんが最適だったと大野氏。「自然体でありながらコミカルな演技もできる、彼女の器用さが小夢のキャラクターにぴったりでした」。黒岩氏も「変わらない神様である興玉に対し、小夢は物語を通して成長していく。その変化を表現できるのは広瀬さんしかいない」と語る。

物語が進むにつれ、小夢は自らの正体、そして世界の真実に気づいていく。その変化を見事に演じ分ける広瀬さんの演技力に注目です。

衝撃の展開…緻密な構成の裏側

「僕も神です」…あのセリフが生まれた経緯

第1話で視聴者に衝撃を与えた「僕も神です」というセリフ。黒岩氏は「狙って書いたわけではない。物語の流れの中で自然に生まれたセリフ」と語る。アニメではよく聞くセリフだが、実写ドラマでは異例。しかし、藤原さんの演技と広瀬さんのリアクションによって、驚くほどの説得力を持った名シーンになった。

1話完結から神話へ…その意図とは?

本作は、序盤は1話完結の異常事件解決ドラマとして展開し、中盤から神話の世界へと突入していく。この構成について、黒岩氏は「地上波ドラマでオカルト要素を扱う難しさ」を挙げている。間口を広げ、視聴者を引き込むために、まずはエンタメ性の高い事件解決ドラマとしてスタートさせ、徐々に神話の要素を織り交ぜていくという戦略をとったのだ。

広瀬アリス演じる雨野小夢広瀬アリス演じる雨野小夢

大野氏も「配信の存在が大きい。最初から見直せることで、伏線回収の面白さをより深く味わえる」と語る。現代の視聴スタイルを意識した緻密な構成が、このドラマの魅力を高めている。

クライマックス、そしてその先へ

神話と現代社会…交差する世界観

黒岩氏は「神様は現代社会をどう見ているのか? 神様の存在を知った人間は何を感じるのか?」と問いかける。このドラマは、単なるエンターテイメント作品ではなく、現代社会へのメッセージを含んでいる。大野氏も「日本の神話を扱った、他に類を見ない作品」と自信を見せる。

最後まで見逃せない!

黒岩氏は「クライマックスに向けて、更にギアを上げていく」と語る。現実離れした設定でありながら、役者陣の熱演と制作陣のこだわりによって、圧倒的なリアリティと説得力を持つ作品に仕上がっている。最終話まで見届けたとき、きっと「見てよかった」と思えるはず。

「全領域異常解決室」は、単なるミステリーでもファンタジーでもない。緻密に練られた構成、そして役者陣の魂のこもった演技によって、視聴者の心に深く刻まれる作品となるだろう。日本神話を題材にした斬新な世界観、そして現代社会へのメッセージ。ぜひ、その目で確かめてほしい。