韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、戒厳令宣言を巡る批判の高まりを受け、窮地に立たされています。国民に向けた談話では、弾劾や捜査にも屈しない姿勢を示しましたが、野党は憲法違反だとして弾劾訴追案を再提出する構えです。今後の韓国政界の動向に、国内外から注目が集まっています。
戒厳令宣言の真意とは?国民の反応は?
尹大統領は、戒厳令宣言は「亡国の危機から憲法秩序を守るための正当な措置」だと主張しています。しかし、この宣言は国民に大きな衝撃を与え、混乱を招きました。中には「訳が分からない」と驚きを隠せない市民もいるなど、世論の反発は強まっています。
韓国国会で尹錫悦大統領の弾劾訴追案の採決を前に退席する与党「国民の力」の議員ら
国民の不安が高まる中、野党は尹大統領への追及の手を緩めていません。弾劾訴追案の再提出に向けて動きを加速させており、今後の政局は予断を許さない状況となっています。
弾劾訴追案再提出へ 可決の可能性は?
最大野党「共に民主党」は、12日に弾劾訴追案を国会に再提出する方針を固めました。14日の本会議での採決を目指しており、可決には与党からの造反が必要です。前回7日の採決では、与党議員の多くがボイコットしたため廃案となりましたが、今回は世論の反発に加え、尹氏に対する捜査も進展していることから、与党内からも弾劾を求める声が上がり始めています。
韓国の尹錫悦大統領の弾劾などを求めて、国会前に集まった人たち
韓国の政治評論家、キム・ヨンチョル氏(仮名)は、「今回の弾劾訴追案は、前回の採決時とは状況が大きく異なる。世論の動向に加え、与党内からも造反者が出る可能性が高まっているため、可決される可能性は十分にある」と分析しています。
尹大統領の決断は?今後の韓国政界はどうなる?
尹大統領は談話で、「最後の瞬間まで国民と共に戦う」と述べ、辞任を拒否する姿勢を示しました。しかし、弾劾訴追案が可決された場合、大統領の職務は停止され、憲法裁判所の審理を受けることになります。
ソウルの韓国大統領府で談話を発表する尹錫悦大統領
今後の韓国政界は、弾劾訴追案の行方次第で大きく揺れ動くと予想されます。尹大統領の進退、そして韓国の民主主義の行方に、世界中から熱い視線が注がれています。