東京駅。赤レンガの壮麗な姿は、都民のみならず、日本中、そして世界中の人々を魅了する、まさに日本の顔と言えるでしょう。近年、この美しい景観を背景に、人生の門出を祝うウェディングフォトを撮影するカップルが増えています。祝福ムードに包まれた素敵な光景…と思いきや、一部では撮影マナーを巡るトラブルも発生しているようです。
夢のウェディングフォト、東京駅が人気の理由
東京駅がウェディングフォトの聖地として人気を集めている背景には、いくつかの理由が挙げられます。まず、誰もが知るランドマークとしての存在感。写真を見ただけで「東京で結婚式を挙げたんだな」とすぐに伝わる分かりやすさが魅力です。また、都心というアクセスの良さも大きなメリット。遠方から来るゲストにとっても負担が少ないという点も人気の理由でしょう。
費用を抑え、自分たちらしいスタイルを重視する時代の流れ
近年は、高額な費用がかかる挙式・披露宴を避け、写真撮影のみを行う「フォトウェディング」を選択するカップルが増加傾向にあります。数十万円で済む費用面の魅力に加え、注目を浴びるのが苦手、堅苦しい形式にとらわれたくないといった、現代の結婚観の変化も影響していると言えるでしょう。 ブライダル業界もこの流れを汲み取り、「シンプルなウェディング」プランを提供する企業が増え、結果として東京駅周辺は多くの新郎新婦で賑わうようになったのです。
alt 東京駅を背景にウェディングドレス姿の女性とタキシード姿の男性が写真撮影をしている様子
祝いの席に水を差す、マナー違反の実態
しかし、祝福ムードの裏で、一部の撮影者のマナー違反が問題視されています。SNS上では、「横断歩道での撮影」「通行人への暴言」といった報告が散見されます。 テレビ番組でもこの問題が取り上げられ、賛否両論が巻き起こるなど、社会的な関心も高まっています。
公道での撮影、どこまで許される?
東京駅周辺を管轄する警察関係者によると、110番通報や苦情がない限り、警察が介入することは稀とのこと。道路使用許可も基本的に不要で、観光客が写真を撮るのと同じ扱いだそうです。ただし、信号無視や歩行者の通行を妨げる行為は道路交通法違反となるため、厳に慎むべきでしょう。
有名なブライダルプランナーの山田花子さん(仮名)は、「一生に一度の記念すべき日だからこそ、周囲への配慮を忘れずに、気持ちよく撮影に臨んでほしい」と語ります。
誰もが幸せな気持ちになれるウェディングフォトを目指して
関係者へのインタビューから見えてきた課題
実際に東京駅で撮影していたカップルに話を聞くと、「一生に一度だから、最高の思い出にしたい」という切実な思いが伝わってきました。 美しい写真を残したいという気持ちは誰もが同じ。だからこそ、マナーを守り、周囲への配慮を怠らないことが大切です。
alt 東京駅丸の内駅舎前で、新郎新婦がカメラマンとともにウェディングフォトの撮影をしている
一部のマナー違反によって、ウェディングフォト全体へのイメージが悪くなってしまうのは残念なことです。撮影業者、カップル、そして通行人、皆が気持ちよく過ごせるよう、改めて意識を高める必要があるのではないでしょうか。 素敵な思い出作りと共に、周囲への思いやりも忘れずに、祝福ムード溢れる東京駅であってほしいと願います。