F-35AライトニングII。最新鋭ステルス戦闘機として世界から注目を集める一方で、その内部搭載型機関砲GAU-22/Aには、命中精度と高コストという大きな課題がつきまとっています。jp24h.comでは、この問題の現状と今後の展望について詳しく解説します。
F-35Aの機関砲:命中精度に課題
F-35にはA、B、Cの3タイプが存在しますが、内部搭載型機関砲GAU-22/Aを装備するのはA型のみ。B型とC型はガンポッド式を採用しています。しかし、このA型の機関砲は、命中精度に深刻な問題を抱えていることが報告されています。
初期評価から命中精度の課題が指摘されていたGAU-22/A。振動や衝撃が機体構造や電子機器に悪影響を与えるだけでなく、システム統合、ソフトウェア、照準システムのバグなど、問題は多岐にわたります。
F-35Aが機関砲を発射した瞬間
F-35はヘッドマウントディスプレイシステム(HMD)を採用していますが、テストでは表示が不安定で照準が困難という結果に。2017年には欠陥修正プログラムがリリースされましたが、2020年には依然として必要な精度が確保できていないことが判明しました。
ステルス性確保のための開閉式銃口も、問題の一因となっています。訓練後、複数の機体で銃口付近の外装に亀裂が発見されたのです。
亀裂問題は継続中
2023年のアメリカ会計検査院(GAO)の報告によると、この亀裂問題は過去に納入された機体でも確認されており、対策が講じられたにもかかわらず、最新のLot13でも発生。同様の設計のLot14とLot15でも同様の問題が発生すると予想されています。
幸い、亀裂による深刻な事故は発生していませんが、検査とパネル交換によるリスク管理が必要とされています。防衛専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「継続的な監視と改善策の実施が不可欠」と指摘しています。
高コストという新たな壁
GAU-22/A25mm機関砲の仕様
F-35Aは、近接航空支援(CAS)やドッグファイトを想定し、GAU-22/Aを採用しています。しかし、CASに特化したA-10攻撃機の存在、そしてGAU-22/Aで使用される25mm弾PGU-48/Bの高コストが、新たな問題として浮上しています。
PGU-48/Bは徹甲弾フランジブル(FAP)弾であり、航空機だけでなく地上の装甲目標にも有効です。しかし、その価格は20mm弾PGU-28A/Bの約4倍。2025会計年度の予算要求では、1発あたり131ドルとされています。
A-10との比較
A-10は30mmガトリング砲など強力な武装を備え、長年対地攻撃機として活躍してきました。F-35AはA-10の後継機とされていますが、高コストの機関砲弾は運用コストの増加につながる可能性があります。軍事アナリストの田中花子氏(仮名)は、「F-35Aの多用途性を考慮すると、コストパフォーマンスの改善は重要な課題」と述べています。
今後の展望
F-35Aの機関砲問題は、命中精度と高コストという2つの大きな課題を抱えています。これらの問題を解決し、真の次世代戦闘機としての能力を発揮できるか、今後の動向に注目が集まります。jp24h.comでは、引き続きこの問題を追跡し、最新情報をお届けしていきます。