帯状疱疹ワクチン定期接種化:50代からの急増、激痛、顔面神経麻痺、失明のリスクも

高齢者を対象に、帯状疱疹ワクチンの定期接種が決定されました。50代から急増するこの疾患、一体何が起きているのでしょうか? 激しい痛みだけでなく、顔面神経麻痺や失明のリスクもある帯状疱疹について、詳しく解説します。

帯状疱疹とは?:潜伏ウイルスが牙をむく時

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因です。水痘が治癒した後も、ウイルスは体内に潜伏し続け、加齢やストレス、免疫力の低下などをきっかけに再活性化し、帯状疱疹として発症します。

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50代から急増すると言われており、激しい痛みを伴います。ある59歳の女性は、介護疲れで心身ともに疲弊していた時に発症。当初は尻のかゆみでしたが、次第に左足全体に広がる激痛へと変化しました。「痛みに脅迫されている感じ」と語る彼女の言葉は、帯状疱疹の深刻さを物語っています。

なぜ増加?水痘ワクチンの皮肉な影響

およそ30年前から増加傾向にあった帯状疱疹ですが、2014年を境にさらに急増しています。実は、この年に子どもへの水痘ワクチンの定期接種が始まり、子どもが水痘にかかる機会が激減しました。一見、良いことのように思えますが、これが皮肉にも帯状疱疹の増加につながったのです。

愛知医科大学 渡辺大輔教授(仮名)は、次のように解説しています。「子どもが水痘にかかると、ウイルスが排出されます。大人はそれを浴びることで免疫を維持していましたが、水痘ワクチンによってその機会が少なくなったことが、帯状疱疹の増加に繋がっていると考えられます。」

帯状疱疹の恐ろしさ:痛みだけではない深刻な合併症

帯状疱疹の症状は、皮膚のピリピリとした痛みやかゆみ、赤い発疹などですが、痛みは非常に強く、日常生活に支障をきたすこともあります。さらに、顔面神経麻痺や視力低下、最悪の場合失明などの深刻な合併症を引き起こす可能性もあるのです。

定期接種で予防を:早期発見・早期治療が重要

今回決定された高齢者向けの帯状疱疹ワクチン定期接種は、こうした深刻な合併症を防ぐための重要な一歩です。早期発見・早期治療も重要です。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ:自分と大切な人を守るために

帯状疱疹は、誰にでも起こりうる疾患です。ワクチン接種や早期発見・早期治療で、自分自身と大切な人を守りましょう。 より詳しい情報は、厚生労働省のウェブサイトなどを参考にしてください。