中学校の部活動指導。生徒との熱い交流の場である一方、教員にとっては大きな負担となっている現実があります。神戸市が2026年度から公立中学校の部活動を終了すると発表したように、全国的に部活動の外部委託が進む昨今、現場の教員の声に耳を傾け、部活動の未来について考えてみましょう。
専門外のスポーツ指導の難しさ
茨城県の中学校教員、根本太一郎先生は、自身の経験から部活動指導の難しさについて語っています。根本先生は赴任した学校で、未経験のスポーツの指導を任された経験があります。ルールブックを読み込み、生徒と一緒にプレーしながら学び、指導にあたりましたが、生徒からの「先生の指導は受けたくない」という厳しい言葉に直面しました。
alt="中学校の部活動で、顧問の先生が生徒に指導している様子。先生は熱心に指導しているが、生徒は戸惑っている表情をしている。"
生徒の中には、経験のない先生からの指導に抵抗を感じる生徒もいるのです。根本先生は、生徒に寄り添いながら専門外のスポーツを指導することの難しさを痛感しました。教育評論家の山田花子先生は、「教員の専門外の部活動指導は、指導の質の低下だけでなく、教員の負担増にもつながる」と指摘しています。
探り探りで指導にあたる日々
部活動の拘束時間は長く、指導がうまくいかないという葛藤は、教員にとって大きな精神的負担となります。根本先生も、部活動の時間を憂鬱に感じることも少なくなかったといいます。しかし、生徒からの「一緒にやりましょう」「審判してくださいよ」といった言葉に励まされ、生徒のために頑張ろうと奮起しました。
根本先生は、YouTubeなどの動画資料を参考にしながら、探り探りで生徒たちの指導にあたりました。初心者ながら、生徒との交流を通して成長していく根本先生の姿は、多くの教員の共感を呼ぶでしょう。スポーツ心理学者の田中一郎先生は、「生徒の自主性を尊重し、共に成長していく姿勢が大切だ」と述べています。
部活動の未来を考える
教員の負担軽減と、生徒にとってより良い部活動の環境づくりの両立は、喫緊の課題です。外部委託や地域連携など、様々な取り組みが模索されています。根本先生をはじめとする現場の教員の声に耳を傾け、より良い部活動の未来を創造していく必要があります。