東京・町田市の一軒家の庭で、突如として気泡が噴出するという不可解な現象が発生しました。まるで池の水面のようにブクブクと湧き上がる泡は、住民に不安と驚きをもたらしています。一体何が起こっているのでしょうか?この記事では、謎の気泡発生の原因とその背後にあるリニア中央新幹線工事との関連性について詳しく解説します。
謎の気泡、原因究明は?
2024年10月22日早朝、町田市小野路町に住むMさん宅の庭で、突然水が湧き出し、気泡が噴出しているのを発見しました。85年間この地で生活してきたMさんにとって、初めての出来事でした。水道管の破損を疑い水道局に連絡したものの、簡易検査の結果、水道水ではないことが判明。次に疑いの目を向けられたのが、近隣で行われているリニア中央新幹線工事でした。Mさん宅からわずか200メートルほどの距離には、リニア工事の立坑「小野路非常口」があり、10月にはMさん宅から十数メートルしか離れていない地下約50メートルを掘削していたのです。
庭に湧き出た気泡の様子。池のない場所に突如として現れた。(写真:樫田秀樹)
この異変を受け、市民団体「リニア中央新幹線を考える町田の会」が現場を視察し、JR東海と工事事業者である「安藤・間JV」に緊急連絡。JV職員が現場で水のサンプルを採取し、検査を行うことになりました。この地域では「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づき、地下40メートル以深であれば地権者との協議なしに工事が可能となっています。しかし、MさんはJR東海から何の説明も受けておらず、原因不明の気泡発生に不安を募らせています。
リニア工事との関連性は?過去の事例から考察
小野路非常口付近の掘進状況を示す図。Mさん宅の近 proximity がわかる。(JR東海公式サイトより)
実は、シールドマシン掘削による気泡発生は今回が初めてではありません。2018年と2020年には、NEXCO東日本による外環道工事で同様の事象が発生しています。当時、直径16メートルのシールドマシンが世田谷区内を掘削中に、野川にジェットバスのような気泡が湧き出したのです。掘削を容易にするために使用される起泡剤が、マシンに回収されずに酸欠空気として川に湧き出たことが原因とされています。今回のケースも、同様のメカニズムが考えられます。東京地盤研究所の専門家、山田一郎氏(仮名)は、「シールドマシン掘削は、周辺の地盤に影響を与える可能性があり、地下水脈の変化や気泡の発生につながるケースもある」と指摘しています。
住民の不安解消が急務
今回の気泡発生は、リニア工事と直接的な因果関係があるかどうかはまだ断定できません。しかし、住民の不安を解消するため、JR東海は迅速かつ透明性のある情報公開と原因究明に努める必要があります。今後の調査結果に注目が集まります。