母親を殺した男をなぜ「良きパパ」と呼ぶのか…?」《静岡2女性殺害事件》長女しか知らない「犯人男のもう一つの顔」(2010年の事件)


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「私のなかでは『良きパパ』だった」

「母が結婚、離婚を繰り返したなかで、桑田は、父親らしいことをしてくれた唯一の人でした。私のなかでは『良きパパ』だったんです。だからこそ、なんで殺しちゃったんだろう、という思いがあるんです」

 2024年6月、当時のことを振り返り結海さん(仮名、20代前半)が事件以来、初めて語った。いまから14年前に起きた、女性2人を殺めた殺人事件で、桑田一也死刑囚(59歳)により殺められた被害者の一人、久松紘子さん(当時25歳)の長女だ。

「私が小学校1年生の頃のことです。授業が終わると、よくパパが車で学校まで迎えに来てくれていました。家に着くまでのなかで、友達のことや給食のメニューのことを話したり、帰ってからも宿題を見てもらったり。そこだけ考えると、別に殺しをしてなければいい人だったし、っていう」

 なぜ母親殺しの憎き犯人を「良きパパ」と呼ぶのか。

 そう、血こそつながっていないが、母が亡くなるまで桑田も静岡・沼津市清水町の自宅アパートで一緒に暮らす家族だったからである。連れ子であっても実の娘のように優しく接してくれていたからである。こうして結海さんのなかでの桑田は「良きパパ」としてだけ強く記憶に残っていた。

 桑田は紘子さんと出会う前、別の女性Aと結婚し、子供もいた。

 理解できないのは、桑田は紘子さん家族との生活を送りながら、離婚したはずの元妻Aやその子供とも何食わぬ顔で暮らしていたことだ。正式には離婚しておらず、離婚届を改ざんし、勝手に提出して紘子さんと再婚していた。

 桑田は何のために、そうまでして2人の女性と同時に結婚生活を送ったのか、それはある事件をきっかけにして徐々に捲れていく。

ダブル不倫の末に恋人を殺害、2000万円を盗んだだけじゃない…《静岡2女性殺害事件》犯人男のヤバすぎる人柄(2010年の事件) へ続く

高木 瑞穂/Webオリジナル(外部転載)



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