チェジュ航空機、務安空港で炎上事故:179名死亡の悲劇

韓国南西部の務安国際空港で2024年12月29日午前9時頃、チェジュ航空の旅客機が着陸に失敗し、空港の外壁に激突、炎上するという痛ましい事故が発生しました。この事故により、乗客乗員181名のうち179名が死亡、2名の乗員が救助されました。韓国国内で発生した航空機事故としては最悪の被害となっています。

事故の経緯:着陸装置の不具合か?

タイ・バンコク発務安行きのチェジュ航空機は、午前8時半頃の到着予定でしたが、午前8時59分頃に救難信号を発信しました。報道によると、着陸装置に不具合が生じ、胴体着陸を試みたものの、機体は滑走路を突き抜け、空港の外壁に激突、爆発炎上しました。

韓国南西部の務安国際空港で炎上するチェジュ航空機韓国南西部の務安国際空港で炎上するチェジュ航空機

事故直前に、搭乗者の家族は「鳥が翼に挟まって着陸できない」というメッセージを受け取ったとの情報もあります。地元消防当局も「バードストライク」の可能性を指摘していますが、専門家の中には疑問を呈する声も上がっています。事故原因の究明には、回収されたフライトレコーダーの解析が不可欠となるでしょう。

チェジュ航空社長が謝罪:徹底的な原因究明へ

チェジュ航空の金二培社長は29日、ソウルで記者会見を開き、事故原因は未解明とした上で「責任を痛感している」と謝罪しました。事故機は2009年製造のボーイング737-800型機で、チェジュ航空は「定期的に整備を行い、異常の兆候はなかった」としています。

搭乗者情報:日本人乗客は確認されず

韓国国土交通省によると、搭乗者181人のうち乗客は175人で、国籍は韓国173人、タイ2人。日本外務省関係者によると、日本人乗客は確認されていないとのことです。

格安航空会社チェジュ航空:日韓路線で最多搭乗者数

チェジュ航空は格安航空会社(LCC)として知られています。バンコク-務安便は今月就航したばかりでした。日韓路線では東京、大阪など17路線を運航し、2023年には日韓路線を運航する全航空会社の中で搭乗者数最多を記録しました。

バードストライクとは?

バードストライクとは、鳥が構造物にぶつかる事故の総称で、主に航空機との衝突を指します。国土交通省によると、2023年には日本全国の空港で計1499件発生し、このうち羽田空港が121件で最多でした。航空機が損傷する事案は59件あったとのことです。過去には、バードストライクが原因で深刻な航空機事故が発生した事例も存在します。航空業界では、バードストライク対策が重要な課題となっています。

近年の航空機事故:安全運航の重要性を再認識

近年、世界各地で航空機事故が相次いで発生しています。2014年のマレーシア航空機消息不明事件、2018年のライオンエア機墜落事故、2022年の中国東方航空機墜落事故など、いずれも多くの犠牲者を出した痛ましい事故です。今回のチェジュ航空機事故は、改めて航空安全の重要性を私たちに突きつけるものとなりました。

今回の事故原因の究明と再発防止策の徹底が急務です。航空会社、空港関係者、そして関係当局は、安全運航の確保に全力を尽くす必要があります。