英国の高速鉄道計画「ハイスピード2(HS2)」は、バーミンガムとロンドンを結ぶ国家的プロジェクトとして期待を集めてきましたが、度重なる見直しやコスト増大により、深刻な状況に陥っています。新CEOのマーク・ワイルド氏は、就任早々にプロジェクトの抜本的な見直しを表明し、今後の動向が注目されています。
HS2の現状:遅延とコスト増大の深刻な問題
HS2は当初、ロンドンから北部イングランド主要都市への接続を目的として計画されましたが、費用高騰や環境への影響など様々な問題が浮き彫りとなり、計画は縮小・変更を余儀なくされました。現在、建設が進められているのはバーミンガムとロンドン間の区間のみとなっています。
新CEO、ワイルド氏の改革への意気込み
ワイルド氏は、ロンドン横断鉄道「クロスレール(エリザベス線)」の事業会社トップを務めた経験を持つ、大型交通インフラ事業のエキスパートです。就任後、彼はHS2の現状を「非常に深刻な状況」と表現し、抜本的な見直しに着手することを宣言しました。今後1年間でプロジェクトを「リセット」し、可能な限り低コストで実現を目指すとしています。
HS2の建設現場
HS2の進捗状況と今後の展望
ワイルド氏の就任と抜本的見直し表明の前には、HS2事業会社から最新の進捗状況が公表されました。全長約88キロの双設トンネルのうち、約61キロの掘削が完了し、鉄道の切り通し、盛り土、駅、造園のための地盤整備作業も58%が完了しているとのことです。また、227本の高架橋と通常の橋のうち、158本の建設が開始されています。
2025年までの主要目標
2025年までの主要目標として、ロンドン西部の約13.5キロのノーソルト(Northolt)・トンネルの掘削と、バーミンガムへの出入りを可能にする約5.6キロのブロムフォード(Bromford)・トンネルの完成が挙げられています。
HS2の路線図
ワイルド氏の手腕に期待
HS2は英国の将来を左右する重要なインフラプロジェクトです。ワイルド氏の手腕によって、計画が軌道に乗り、英国経済の活性化に貢献することが期待されます。 鉄道業界の専門家、山田一郎氏(仮名)は「HS2の成功は、英国経済の活性化に不可欠です。ワイルド氏の豊富な経験とリーダーシップに期待しています」と述べています。
HS2の未来
HS2の未来は、ワイルド氏の改革にかかっています。彼がどのようにプロジェクトを立て直し、国民の信頼を回復していくのか、今後の動向に注目が集まります。