ゴルフは天候に左右されるスポーツですが、近年、無断キャンセルやドタキャンによるゴルフ場の損失が深刻化しています。飲食店と同様に、ゴルフ場もキャンセル問題に悩まされてきました。今回は、ゴルフ場におけるキャンセル料の現状と、大手ゴルフ場運営会社PGMの新たな取り組みを中心に、その背景や影響について解説します。
キャンセル料徴収の背景:会員制ゴルフ場からビジター利用への変化
かつてゴルフ場は会員制が主流で、会員同士の顔が見える関係性の中でキャンセルも暗黙の了解で済まされることが多かった時代がありました。しかし、ゴルフの大衆化とゴルフ場間の競争激化に伴い、ビジターの受け入れが一般化。それに伴い、連絡先が不明確なビジターによるキャンセルが増加し、ゴルフ場側の損失も拡大していきました。
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キャンセル料を徴収すれば顧客離れに繋がる可能性があるという懸念から、多くのゴルフ場はキャンセル料徴収に消極的でした。ゴルフ場経営コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「キャンセル料の導入は、顧客満足度と収益確保のバランスが難しい課題」と指摘しています。
PGMの新たな取り組み:キャンセル料導入で業界に一石
このような状況の中、全国149のゴルフ場を運営するPGMが、2023年7月よりビジター予約に対し、プレー直前のキャンセルにキャンセル料を導入しました。さらに、2024年1月からは会員に対してもキャンセル料を適用開始。このPGMの決断は、ゴルフ業界に大きな影響を与えています。
キャンセル料導入の効果と課題
PGMのキャンセル料導入後、直前のキャンセルが減少傾向にあるというデータも出ており、一定の効果が見られています。一方で、キャンセル料に関する問い合わせやクレーム対応など、新たな業務負担も発生しているようです。
ゴルフ場キャンセル料の今後:新たな常識となるか?
PGMの取り組みは、他のゴルフ場運営会社にも波及する可能性があります。今後、キャンセル料がゴルフ業界の新たな常識となるのか、注目が集まっています。
天候によるキャンセル問題への対応
ゴルフは「お天気商売」と言われるほど天候に左右されやすいスポーツです。雨天時のキャンセルへの対応も、ゴルフ場にとって重要な課題となっています。一部のゴルフ場では、雨天時のキャンセル料を軽減するなどの対策を講じ始めています。
まとめ:キャンセル料はゴルフ文化を変えるか?
ゴルフ場におけるキャンセル料の導入は、顧客とゴルフ場双方にとって、より良い関係性を築くための重要な一歩と言えるでしょう。キャンセル問題への意識改革と、よりスムーズな予約システムの構築が、今後のゴルフ業界の発展に不可欠です。