アフガニスタンで、タリバン暫定政権が女性の姿が見える窓の設置を禁止しました。この措置は、女性のプライバシー保護を目的としているとされていますが、国際社会からは批判の声も上がっています。
タリバン、女性のプライバシー保護を理由に窓設置を禁止
2024年末、タリバン最高指導者アクンザダ師の名で布告が出されました。この布告は、新築住宅において、近隣の女性が生活する空間を見下ろせる窓の設置を禁じるものです。既存の住宅についても、壁などで視界を遮るよう求めています。
タリバン暫定政権のムジャヒド報道官は、この措置について「台所や中庭で作業する女性、井戸で水を汲む女性の姿を見ることで、男性がわいせつ行為に及ぶ可能性がある」と説明しています。
alt_textブルカを着て歩くアフガニスタンの女性。彼女たちのプライバシー保護は重要課題となっている。
国際社会からの懸念と批判
この窓設置禁止令は、女性の権利擁護団体などから強い批判を受けています。彼女たちは、この措置が女性の社会からの隔離をさらに深めるものだと懸念を示しています。また、一部の専門家からは、この措置が家父長制的な社会構造を強化し、女性の自由を制限するものだと指摘する声も上がっています。
アフガニスタンでは、タリバンが政権を掌握して以来、女性の権利が大幅に制限されています。女性は教育や就労の機会を奪われ、公共の場ではブルカの着用が義務付けられています。今回の窓設置禁止令は、こうした一連の女性抑圧政策の一環と捉えられています。
専門家の意見
人権問題に詳しい東京大学の山田教授(仮名)は、「この措置は、女性を家庭内に閉じ込め、社会参加を阻害するものです。タリバンは女性の権利を尊重する姿勢を示すべきです」と述べています。
女性の権利と社会の安定
アフガニスタンの安定と発展のためには、女性の権利が尊重され、彼女たちが社会に平等に参加できる環境が不可欠です。国際社会は、タリバン暫定政権に対し、女性の権利を尊重するよう強く働きかけていく必要があります。
アフガニスタンの女性たちの未来が、より明るいものになることを願っています。