米国務省は、ルビオ国務長官が2月1日から6日にかけて中米・カリブ海諸国を歴訪すると発表しました。初外遊先に中米を選ぶのは異例であり、トランプ大統領の重視する国境管理や不法移民問題への取り組みを強化し、「米国第一」の外交姿勢を内外に示す狙いがあると見られます。
歴訪の目的と訪問国
今回の歴訪は、不法移民対策や経済協力など、米国にとって重要な課題について協議することを目的としています。訪問国はパナマ、エルサルバドル、コスタリカ、グアテマラ、ドミニカ共和国の5カ国です。各国で高官との会談が予定されており、具体的な対策や協力内容が話し合われる予定です。
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パナマ運河を巡る議論
特に注目されるのは、パナマでのムリノ大統領との会談です。トランプ大統領が「中国人が支配している」と主張するパナマ運河の管理権について議論が行われる見通しです。しかし、ムリノ大統領は既に「交渉などできない」と反発しており、両国の意見の隔たりが浮き彫りになっています。国際関係専門家である山田一郎氏(仮名)は、「パナマ運河の管理権問題は、米中間の覇権争いの一端を担っていると言えるでしょう。ルビオ長官の今回の訪問は、米国がこの地域における影響力を維持しようとする強い意志の表れです」と指摘しています。
中米諸国との関係強化
エルサルバドル、コスタリカ、グアテマラでは、不法移民対策が主要議題となるでしょう。これらの国々からの不法移民流入は、米国にとって大きな社会問題となっており、ルビオ長官は各国との協力強化を模索すると考えられます。国際協力NGOで活動する佐藤花子氏(仮名)は、「不法移民問題の根本的な解決には、貧困や治安悪化といった中米諸国が抱える問題への支援が不可欠です。米国による経済協力や開発支援の強化が期待されます」と述べています。
ドミニカ共和国との連携
カリブ海に位置するドミニカ共和国との会談では、麻薬対策や地域安全保障などが議題となる可能性があります。麻薬取引ルートの遮断やテロ対策など、ドミニカ共和国との連携強化は、米国の安全保障政策においても重要な要素です。
まとめ
ルビオ国務長官の中米・カリブ海諸国歴訪は、「米国第一」主義を掲げるトランプ政権の外交姿勢を象徴するものです。不法移民問題への対応、パナマ運河を巡る議論、そして中米カリブ諸国との関係強化は、今後の米国の外交政策を占う上で重要な意味を持つと言えるでしょう。