店名「MY one and only」は両親の頭文字からインスピレーションを得て
名優・津川雅彦さん(享年78歳)と朝丘雪路さん(享年82歳)を両親に持つ俳優で歌手の真由子(50)がこのほど、東京・赤坂にライブレストラン「MY one and only」をオープンさせた。店名は両親の頭文字からインスピレーションを得て、「唯一無二」を意味する。レストラン経営は2軒目となるが、父・雅彦さんの言葉が後押しになったと語る。(取材・文=平辻哲也)
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「MY one and only」は、東京メトロ千代田線・赤坂駅から徒歩3分に位置する複合ビルの9階にあるライブレストラン。ダイニングバーだった店舗を全面改装し、食事と生演奏を同時に楽しめる空間を提供している。欧州で修行を積んだ元パティシエのシェフによる創作イタリアンを中心としたフードメニューと多彩なドリンクを提供。季節やイベントに合わせた特別なコースも用意されている。
真由子は2019年12月に奥渋エリアにライブレストラン「MY ROOM」を開業したこともあり、2軒目の経営となる。
「前の店は開店まもなくコロナ禍になってしまい、短期間で店を閉めざるを得ませんでした。コロナが空けてから、再開も考えていたのですが、なかなか気持ちのふんぎりがつかなかったんです。そんな時、前のお店を気に入ってくれたお客様から『物件が空いたので、もう一度、お店をやってくれないか』と声をかけられました。主人(俳優の友山裕之助)に相談すると、『これはお父さんとお母さんがやりなさい』と言っているんじゃないか、と背中を押してくれました」
昨夏から店の開店準備に動いたが、書類の不備や水漏れなど相次ぐトラブルに見舞われた。そんな時に思い出したのは、玩具会社「グランパパ」の経営者でもあった父の言葉だった。
「父がオモチャ屋をやりたいと言った時、100人中99人から反対されたんです。でも、父は『成功したいと思ったら、急がば回れ。簡単な道より困難な道を選べ』と言っていたんです。簡単な道には必ず、神様の落とし穴がある、と。だから、トラブルにバタバタすることなく、父の誕生日の前日である12月20日にオープンして、家族で父の誕生日を祝おうと決めました。1月終わりか、2月にはオープニングパーティーをやりたいと思っています」
店内には雅彦さんがコレクションしたサンタクロースの絵画も飾られている。平日はレストランとして昼夜(正午~午後3時、午後6時~午後11時)営業し、定休日の土日祝はイベントスペース(収容人数約50人、デイタイム午前11時~午後5時、ナイトタイム午後5時~午後11時、各時間帯7万5000円、フルタイム割引あり)として貸し出す予定。スクリーンや音響機器も常設しており、ライブのほか、映像作品の上映、結婚式の二次会などの利用を想定している。
「『MY and only』のMYは父・雅彦と母・雪路のイニシャルですが、私と主人のイニシャルでもあるんです。お客様がお店に来られた時に、落ち着くような唯一無二の空間にしたいと思っています。料理は当初、居酒屋のような安い料金設定を考えたのですが、料理の質やお店の価値を考慮し、一人あたり6000円から8000円を目安としています。カジュアルすぎない価格帯を設定することで、お店の信頼感や特別感を保つように心がけました」
レストラン経営にあたっては、新会社を設立。真由子が代表取締役に就任し、2018年6月に結婚した夫・友山(51)が支配人を務める。
「人生で初めて名刺を作りました。昨年、50歳を迎えて、これからが人生の第2幕。年を重ねていくと、羞恥心、恐怖心も出てくるので、セーブしてしまう人もいるかもしれませんが、父も母も活発な人たちだったので、私も生まれたての気持ちで、挑戦していこうと思っています。怖がらず恥ずかしがらず失敗もガンガンする。それで起き上がりこぼしのように何度でも立ち上がるっていうスタンスで、ちょっとがむしゃらに頑張ってみたい」と意気込んでいる。
□真由子(まゆこ)1974年3月18日、東京都出まれ。俳優・津川雅彦と女優・朝丘雪路の一人娘として生まれる。幼少期から日本舞踊や三味線を学び、インターナショナルスクールで教育を受け、英語も堪能。1998年に俳優デビューし、テレビドラマ『功名が辻』『子連れ信兵衛』シリーズ、映画『次郎長三国志』などに出演。音楽活動では『東京エキゾチカ with 真由子』名義でライブを展開。1月10日公開の映画『シンペイ 歌こそすべて』に出演するなど、俳優・歌手として精力的に活動中。
平辻哲也