ウクライナ軍が13日から14日にかけての夜、ロシア領内への過去最大規模の攻撃を実施しました。攻撃対象は前線から数百キロ離れた軍事施設で、学校閉鎖や空港の運航停止など、ロシア国内に大きな影響が出ています。今回は、この大規模攻撃の背景や影響について詳しく解説します。
ロシア奥深くの軍事施設を狙った精密攻撃
ウクライナ軍参謀本部は、今回の攻撃について「国境から200~1100キロ離れたロシア領内の軍事施設に対して最大規模の攻撃を行った」と発表しました。標的となったのは、ブリャンスク州、サラトフ州、トゥーラ州、そしてタタールスタン共和国の軍事関連施設です。
ロケット燃料工場、石油貯蔵施設、製油所などが標的に
具体的には、ロシア軍にロケット燃料や弾薬を供給する化学工場、空軍基地近くの石油貯蔵施設、そして製油所などが攻撃対象となりました。これらの施設はロシア軍の作戦遂行に不可欠なものであり、ウクライナ軍はロシアの軍事力を削ぐことを狙ったとみられます。軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「ウクライナ軍は、ロシア軍の補給線を断ち、戦力を弱体化させる戦略を取っていると考えられます」と分析しています。
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サラトフ州では学校閉鎖、各地の空港で運航停止も
サラトフ州知事は、州内への攻撃が「大規模」だったことを認めています。攻撃の影響で学校が閉鎖されたほか、ロシア中西部では少なくとも9つの空港で一時的に航空便の運航が停止されました。市民生活にも影響が及んでいることから、今後のロシア側の反応が注目されます。
ロシア国防省はミサイル迎撃を主張、真偽は不明
ロシア国防省は、ウクライナ軍が発射した米国製長距離地対地ミサイル「ATACMS」6発と、英国製空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」6発をすべて迎撃したと主張しています。しかし、ウクライナ側の発表や現地からの情報と食い違っており、真偽は定かではありません。国際的な軍事専門家も、ロシア側の主張には懐疑的な見方を示しています。
タタールスタン共和国ではガス貯蔵タンクが攻撃される
タタールスタン共和国では、カザン市近郊のガス貯蔵タンクがウクライナの無人機攻撃を受け、炎上したと報じられています。エネルギー供給施設への攻撃は、ロシア経済にさらなる打撃を与える可能性があります。
ウクライナによる反転攻勢の継続か
今回の大規模攻撃は、ウクライナによる反転攻勢の一環とみられています。今後、ウクライナ軍はどのような戦略でロシアに対抗していくのか、今後の戦況に注目が集まります。
今回のウクライナ軍によるロシア領内への大規模攻撃は、戦争の新たな局面を示唆する重要な出来事です。今後の情勢を注視していく必要があります。