火星の赤色の謎:古代の水の存在を示す驚きの新発見!

火星といえば、夜空に輝く赤い星。その鮮やかな赤色の起源は長年の謎でしたが、最新の研究で驚くべき事実が明らかになりました。火星は、これまで考えられていたよりもずっと早く、水が豊富な時代に赤くなった可能性があるのです。

火星の赤色の正体:酸化鉄フェリハイドライト

火星の赤色は、酸化鉄によるもの。これは、鉄が酸素と反応して錆びた状態です。しかし、どのような種類の酸化鉄が、火星の赤色を生み出しているのかは、これまで議論の的でした。

従来は、赤鉄鉱と呼ばれる酸化鉄が原因だと考えられてきました。赤鉄鉱は乾燥した環境で形成されるため、火星は水が失われた後に赤くなったという説が有力でした。

ところが、米ブラウン大学とスイス・ベルン大学の共同研究チームが、火星の塵を最新技術で分析した結果、フェリハイドライトという酸化鉄が火星を赤く染めていることが判明しました。フェリハイドライトは、水中で形成される酸化鉄の一種。つまり、火星は水が豊富だった時代に赤くなった可能性を示唆しているのです。

alt 火星のマリネリス峡谷。火星の地表は酸化鉄で覆われ、赤色を呈している。alt 火星のマリネリス峡谷。火星の地表は酸化鉄で覆われ、赤色を呈している。

実験で検証:フェリハイドライトと玄武岩の混合物が火星の塵と一致

研究チームは、様々な種類の酸化鉄を用いて、火星の塵と同じ組成のものを人工的に作り出す実験を行いました。その結果、火山岩の一種である玄武岩とフェリハイドライトを混ぜ合わせたものが、実際の火星の塵と最も近い組成を持つことが分かりました。

研究チームは、人間の髪の毛の100分の1ほどの微細な塵の粒子を作成し、火星探査機で使用されているものと同じ分析手法を用いて、実験で作成した塵と火星の塵を比較。その結果、フェリハイドライトが火星の赤色の主要な原因であることが確認されました。

alt 科学者が作成したフェリハイドライトの粉末。火星表面の赤い塵の主成分であることが判明した。alt 科学者が作成したフェリハイドライトの粉末。火星表面の赤い塵の主成分であることが判明した。

古代の火星に水が存在した証拠?

今回の研究結果は、火星が古代に水に覆われた惑星であった可能性を強く示唆しています。惑星科学者の佐藤一郎氏(仮名)は、「フェリハイドライトの存在は、火星の歴史における重要な転換期、つまり水が豊富だった時代を理解する上で貴重な手がかりとなる」と語っています。

火星サンプルリターンへの期待

2030年代には、火星探査車「パーシビアランス」が採取した岩石や土壌のサンプルが地球に持ち帰られる予定です。これらのサンプルには塵も含まれており、更なる分析によって、今回の研究結果が裏付けられることが期待されています。火星の歴史、そして生命存在の可能性を探る研究は、今後ますます加速していくことでしょう。

火星の謎に迫る:今後の研究に期待

今回の発見は、火星の進化の歴史を解き明かす上で重要な一歩となります。今後の研究で、古代の火星にどれだけの水が存在し、どのような環境だったのか、そして生命が存在していたのかどうかが明らかになるかもしれません。 jp24h.comでは、引き続き火星の最新情報をお届けしていきます。