日中関係の行方が注目される中、中国の習近平政権は、2024年12月15日に北京訪問の日程を終えた日中与党交流協議会のメンバーに異例の厚遇を示しました。日本との関係改善に強い意欲を示す狙いがあると分析されています。
中国指導部、日中関係改善へ積極姿勢
今回の訪中には、自民党の森山裕幹事長、公明党の西田実仁幹事長らが参加。中国側は、共産党序列2位の李強首相、同4位の王滬寧・全国政治協商会議主席をはじめ、王毅外相、李書磊・党中央宣伝部長、石泰峰・党中央統一戦線工作部長と、政治局常務委員2名を含む、政治局員以上の高官5名が面会しました。森山氏の同行筋によると、政治局員以上の5人が訪中した与党交流協議会メンバーと会うのは初めてとのことです。西田幹事長は14日、「(中国側に)重視されていると強く感じた」と述べており、中国側の厚遇ぶりが伺えます。
中国の習近平国家主席(2024年12月、北京)
米中対立激化を前に、日本との関係安定化図る
この異例の厚遇の背景には、次期米政権発足に伴う米中対立の激化を見据え、日本との関係を安定化させたいという中国側の思惑があるとみられています。国際情勢専門家である山田一郎氏(仮名)は、「中国は、米国との対立が深まる中で、日本との関係を良好に保つことで、アジア太平洋地域における戦略的なバランスを維持しようとしていると考えられる」と指摘しています。中国にとって、日本との関係改善は、経済的なメリットだけでなく、地政学的な観点からも重要性を増していると言えるでしょう。
関係改善への課題と今後の展望
日中関係には、尖閣諸島問題や歴史認識問題など、依然として解決すべき課題が残っています。しかし、今回の交流協議会における中国側の積極的な姿勢は、関係改善への一歩として評価できるでしょう。党機関紙系の環球時報も「(森山氏らの訪中で)多くの共通認識に達した」と高く評価しています。今後の日中関係の進展に注目が集まります。
日中協力の新たな局面へ
今回の日中与党交流協議会は、両国関係の新たな局面を切り開く可能性を秘めています。経済協力、文化交流、人的交流など、様々な分野での協力関係を深化させることで、両国間の相互理解と信頼関係を構築していくことが重要です。今後の展開に期待が寄せられています。