ブルーオリジン、新型大型ロケット「ニューグレン」初打ち上げも1段目回収失敗

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業ブルーオリジンが、新型大型ロケット「ニューグレン」の初打ち上げを実施しました。今後の宇宙開発競争に大きな影響を与える可能性を秘めたこの打ち上げ、成功と失敗が入り混じる結果となりました。

ニューグレン、待望の初飛行

2023年9月16日、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から、巨大なニューグレンが轟音と共に打ち上げられました。これは、ブルーオリジンにとって新たな一歩となる、待望の初飛行でした。ニューグレンは、将来の月面探査や火星への有人飛行も視野に入れ開発された、同社にとって最大のロケットです。この打ち上げは、今後の宇宙開発におけるブルーオリジンの存在感を高める重要な試金石とされていました。

ニューグレン打ち上げの様子ニューグレン打ち上げの様子

軌道到達も…1段目回収は失敗

打ち上げ後、ニューグレンは順調に飛行を続け、「一段目」の分離にも成功。目標としていた軌道への到達を果たしました。しかし、コスト削減の鍵となるはずだった「一段目」の回収は失敗に終わりました。ブルーオリジンは再利用可能なロケット技術に力を入れており、今回の回収失敗は今後の計画に影響を与える可能性があります。宇宙工学専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「1段目の回収失敗は残念ですが、初飛行で軌道到達に成功したことは大きな成果です。今後のデータ分析で原因を究明し、改善していくことが重要でしょう」と述べています。

スペースXとの競争激化

ブルーオリジンは、イーロン・マスク氏が率いるスペースXと宇宙開発ビジネスで競合しています。スペースXは既に再利用可能なロケット技術で実績を上げており、ブルーオリジンは追いかける立場にあります。今回のニューグレンの打ち上げは、スペースXへの挑戦状ともいえるものでしたが、1段目回収の失敗は、両社の差を際立たせる結果となってしまいました。

ニューグレンの機体ニューグレンの機体

ニューグレンの未来

初打ち上げは成功と失敗が入り混じる結果となりましたが、ニューグレンの開発はまだ始まったばかりです。ブルーオリジンは、今回の結果を踏まえ、更なる改良と開発を進めていくと見られています。今後のニューグレンの進化、そして宇宙開発におけるブルーオリジンの役割に注目が集まります。