大学入試センターが発表した2025年度大学入学共通テストの中間集計結果によると、新科目「情報Ⅰ」は高得点、一方で化学と地学は平均点が低迷するなど、科目によって明暗が分かれる結果となりました。この記事では、各科目の平均点の動向や特徴を詳しく解説します。
英語:リーディングは昨年より易化傾向も、リスニングと合わせて戦略的な対策が重要
2025年度大学入学共通テスト 英語リーディング問題例
英語リーディングの平均点は59.7点と、昨年の過去最低記録(51.54点)からは上昇しました。駿台・ベネッセのデータネットによると、素材文の語数減少や該当箇所特定の難易度低下が見られたものの、例年通り紛らわしい選択肢や推論を要する設問も含まれていました。一方、リスニングの平均点は62.9点。英語全体としては、リーディングとリスニングのバランスを取りながら、それぞれの特性に合わせた対策が重要と言えます。例えば、著名な英語教育コンサルタントである山田花子先生は、「長文読解力だけでなく、聞き取る力、そして瞬時に判断する力も問われるため、日頃から多様な英語に触れることが重要です」と述べています。
国語:新傾向問題登場も平均点は上昇傾向
国語の平均点は126.1点と、昨年(116.50点)から約10点上昇しました。小論文風の文章を題材にした新傾向の第3問が登場したものの、大部分が4択問題であったため、難易度は昨年並みと分析されています。国語学習塾を経営する田中一郎先生は、「新傾向問題への対応も重要ですが、基礎的な読解力と語彙力を身につけることが高得点への近道です」とアドバイスしています。
数学:ⅠAは易化、ⅡB・Cは昨年並み
数学ⅠAの平均点は56.7点で昨年(51.38点)より上昇、数学ⅡB・Cは56.7点で昨年(57.74点)とほぼ横ばいでした。難易度としては、ⅠAは易化、ⅡB・Cは昨年並みの傾向です。
理科:化学・地学は低迷、対策必須
理科では、地学が43.6点(昨年56.62点)、化学が47.7点(昨年54.77点)と、共に平均点が低迷しました。特に地学は大幅な減少となっており、受験生にとっては厳しい結果となりました。理科教育に精通する佐藤次郎先生は、「化学・地学は、公式の暗記だけでなく、現象の理解と応用力が求められます。そのため、実験や演習を通して、実践的な学習を進めることが大切です」と強調しています。
新課程地理歴史・公民:科目間で差も、全体的には安定
新課程の地理歴史(地理総合・地理探究59.7点、歴史総合・日本史探究59.1点、歴史総合・世界史探究68.4点)と公民(公共・倫理61.5点、公共・政治・経済65.7点)は、科目によって差が見られるものの、全体的には安定した結果となりました。
旧課程:平均点上昇、浪人生に有利な結果に
旧課程の科目は、歴史(旧世界史B68.8点、旧日本史B68.7点、旧地理B62.1点)、数学(旧数学Ⅰ・A60.5点、旧数学Ⅱ・B60.9点)など、多くの科目で平均点が昨年より上昇しました。これは、浪人生にとって有利な結果と言えます。
情報Ⅰ:高得点でスタート、今後の動向に注目
新科目「情報Ⅰ」は73.1点と高得点でスタートしました。今後の動向に注目が集まります。
まとめ:科目ごとの対策が重要
2025年度大学入学共通テストの中間集計結果から、科目によって難易度に差があることが明らかになりました。受験生は、自分の得意・不得意を把握し、それぞれの科目に適切な対策を講じることが重要です。大学入試センターは24日に最終的な集計結果と得点調整の有無を発表する予定です。